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中小・個人塾のマーケティング論
[7]チラシはキャッチコピーが命

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森智勝氏

いよいよ具体的なマーケティングの手法(戦術)についてお話します。まずはチラシです。ここでは、貴塾のことをよく知らない見込み客を対象と仮定して論を進めます。

近年、チラシを重視しない塾が増えています。理由は「反応率の悪さ」です。「1万枚投下しても、電話の1本も掛かって来ない」という塾も少なくありません。様々な要因が考えられるのですが、チラシを1万枚投下しても電話が鳴らないのは、チラシ云々の前に塾の評判が芳しくないとしか考えられません。チラシの内容を考えることは、塾の中身を検証する良い機会です。自塾を見直すためにも、以下の内容を参考にしてください。

「不特定多数に配られる新聞折込(タウン誌を含む)よりも、対象者にピンポイントで届くDM(ダイレクトメール)の方が効果的ではないか」と言われる塾経営者がいます。ピンポイントという意味ではそうです。「今すぐ客」が欲しいのでしたらDMが効果的なのは言うまでもありません。しかしそれでは「そのうち客」には何も届きません。子どもはまだ通塾年齢ではないが、いつかは塾に通わせようと思っている保護者に対して、「こんな素晴らしい塾がありますよ」とアピールすることができるのも、チラシの利点です。そうした意味も込めて、チラシの役割は「塾に興味を持ってもらうこと」と前回お話しました。けっして「入塾してもらうこと」ではないのです。1枚数円のチラシだけで入塾まで促すのは無理があります。まずは塾に興味を持ってもらい、塾に対する認知を深めてもらうことです。

さて、保護者(たいていは母親)がチラシ1枚に掛ける時間はどれくらいでしょう。新聞に折り込んであるチラシの束を取り出し、1枚1枚見ては右側に重ねていく…その1枚に掛ける所要時間です。ある調査によると、平均で1.2秒だそうです。チラッと見て、興味がなければ次のチラシへと手を伸ばします。その1.2秒の間に興味を持てば、そこでじっくりと読むか、別に取っておいて後から読むか…どちらにせよ、勝負はチラシをパッと見た瞬間に決まります。だからスーパーのチラシは、最も目立つところに「超特売/卵1個10円」などと掲示するのです。

塾のチラシの場合も同じです。最も目立つところに最も重要な、塾に興味を持ってもらうフレーズを配置しなければなりません。チラシで最も目立つのは言うまでもなく、最も大きな文字で表示されている部分です。いわゆるキャッチコピーと呼ばれるものです。とは言え、塾ですから「卵1個10円」とは書けません。そこで「頑張る君を応援します」とか、「未来に向かってスタートダッシュ」とかの美辞を掲載することになります。しかし、そうした美辞麗句が保護者の興味を惹くことはありません。ましてや「塾生募集」の4文字が最も大きな文字というのは論外です。塾が「塾生募集」と主張するのは、魚屋が「魚売っています」と言うに等しい。

では、どうすれば読者の興味を一瞬で惹き付けることができるでしょうか-方法は2つです。

1つは「卵1個10円」の手法です。極端な話をします。「電話の問合せをした全ての方に5,000円をプレゼントします」と書けば、電話が殺到することは間違いありません。こうした告知を「オファー告知」と言います。かつて某大手塾が「入塾記念にⅰPodプレゼント」と告知して、多くの生徒を集客した事例があります。私が塾経営者だった時、新教室の開校にあたり「モニター生募集/卒塾まで授業料半額」と打って、11月という中途半端な時期にも関わらず、1週間で50名近い生徒を獲得したこともあります。

こうしたオファー告知の肝は、「こんなことまでして大丈夫?」と顧客が心配するくらいの内容にすることです。もう、「入塾金免除」程度のオファーでは効かないでしょう。某大手塾は「2か月間、授業料無料」を打ち出しています。

当然、こうしたオファー告知は常用することはできません。そこで、もう一つの手法を考えます。読者(母親)の琴線に触れるキャッチコピーとリード文を作成することです。例を挙げます。

キャッチコピー:『4月になったら頑張る!』は本当ですか?

春季チラシが投入されるのは2月~3月です。この時期の生徒は決まり文句のように言います。「4月になったら(あるいは3年生になったら)頑張る!」と。多くの母親が耳にしていることでしょう。我が子の言うことだから信じてあげたい。でも本当かしら…そう思っている母親に訴えるのです。本当ですか?と。
そして、リード文で真実を教えてあげます。

リード文例:今の時期、多くの生徒(特に受験学年を目前にした中2生)が言います。「4月になったら頑張る」と。しかし、4月になっても頑張ることはありません。今度は「ゴールデンウイークが終わったら頑張る」と言い出します。次は「部活が終わったら…」「誕生日が来たら…」-結局、頑張ることができずに時が過ぎていきます。何故でしょうか。それは、彼が「頑張るきっかけ」を探しているのではなく、「今頑張らない言い訳」を探しているにすぎないからです。

その上で、自塾の「生徒のモチベーション(学習意欲)を向上させる仕組み」を説明すれば、塾に対する興味・関心が高まります。「キャッチコピー」⇒「リード文」⇒「詳細内容」と、読者を誘(いざな)う仕組みをチラシ上に構築することです。当然、最も大切なのはキャッチコピーです。キャッチコピーは文字通り読者の興味を掴む(キャッチする)ものでなければなりません。

まずは、貴塾の特長・主張を表すキャッチコピーを創り出してください。

 
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