明けましておめでとうございます。
塾業界にとって激動の2010年が始まりました。今年一年で、今後10年間の趨勢が決まることでしょう。皆さんのご活躍を期待します。
2004年の「つむぎセミナー」で講師を務めた時、その質疑応答で将来の塾業界像を聞かれ、私は次のように答えました。
「授業料が高額でも一人ひとりに本当に親身になって対応する塾と、授業料1万円程度で集団指導する塾とに分かれるだろう。」
手前味噌ですが、その当時の予想は的中したようです。大手塾を中心に、授業料の大幅値下げが相次ぎ、ついには広島の大手塾が授業料平均1万円の教室を160箇所以上展開するようになりました。
そして、当時、もう1つの予測も発表しています。それは、日本の人口がピークを迎える2006-2007年を境に日本の経済は大きく転換し、その混乱は10年続くというものです。もちろん、これは私のオリジナルではなく、私が信頼している経済専門家の予測だったのですが、不幸にも的中しているようです。
我々塾人も、こうした社会の変化と無関係ではいられません。進化論を唱えたダーウィンの有名な言葉があります。
「強いものが生き残るのではない。変化に対応できたものだけが生き残るのだ。」
その真理は、我々の業界会をも貫いているのです。
以前の塾は町の八百屋や魚屋と同じく「家内制手工業」の時代を生きていました。しかし、郊外大型スーパーの出現により、八百屋、魚屋は姿を消しました。コンビニの登場でお菓子屋も消えました。今のままでは、塾も同じ運命を辿ってしまいます。好むと好まざるとに関わらず、時代に合わせた経営手法を取り入れる必要があるのです。
年末、テレビ等では「派遣村」についての話題が今年も多く見られました。報道によると、昨年の村民のうち、正社員として再雇用された村民は全体の5パーセント、非正規の採用を含めても12パーセントだそうです。多くは生活保護で生活しています。
なぜ、こんな状況が生まれたのでしょうか。多くの理由が言われています。「世界的な金融ショックで大不況になった」「小泉時代の改革路線のツケ」「派遣労働法の規制緩和」「大企業が社内留保を崩さずに安易に労働者の切捨てを行なった」…
どれも間違いではないでしょう。しかし、どの専門家も知っていながら言わない本当の理由、根本的な原因があります。多分、口にすると世間から非難を浴びるので言わないのでしょう。その根本的原因とは…女性の社会進出です。
かつては「非正規(パート)」「失業者=無職」の地位を、有無を言わさず専業主婦という立場の女性に押付けてきたのです。社会全体がそれを容認していたのです。
時代は変わりました。多くの優秀な女性が社会進出することで追いやられる男性が増えてきました。
これも社会変化の1つです。
我々は、そうした時代を嘆いていても意味はありません。ひとり一人、その時代に合わせた方策、知恵、能力を身に付けることです。それが「前向きに生きる」ということです。
厳しい時代が続きます。しかし、「あなた」なら必ず乗り越えられます。なぜなら、「つむぎクラブ」に加盟して少しでも学びを得ようとする勉強熱心な人には、その資格と責任が宿っているからです。
今年一年の健闘を心から期待します。頑張って下さい!