モリモリ元気レポート[128] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

明けまして、おめでとうございます。本年もよろしくお付き合いください。

さて、2016年度はどんな年になるでしょうか? また、どんな年にすべきでしょうか?

鍵を握るのは今年度末(3月か?)に高大接続システム改革会議から出される予定の「最終まとめ」です。すでに昨年8月に出された「中間まとめ」で、だいたいの方向性は示されていますが、やはり最終まとめで何が報告されるかは注目です。ただ、2020年度からの改革は決定していますので、塾の現場では今年から対応策の準備に入る必要があります。

2020年度と聞くと、まだまだ先の話のようですが、少なくとも現中学1年生が高校生を迎える時には万全の対策を提示しなければなりません。そう考えれば、残された時間は2年しかありません。ぜひ、早めの行動をお勧めします。

ターゲット学年としては、現中学1年生はもちろんですが、現小学3年生以下にも注目すべきでしょう。「中間まとめ」では、2020年度からの4年間を移行期間と位置づけ、24年度からの本格稼働が示されています。多分ですが、その年から(答申・「中間まとめ」にあるように)現在の「一般入試」「推薦入試」「AO入試」の制度がなくなり、新たな入試制度の下で選抜が実行されるようになるでしょう。幼児~低学年層に対する情報提供と対応策の提供が重要です。止まらない少子化の中、対象学年を上下に広げることは、今後の経営戦略の重要な要素です。すでに、小学高学年から中学生をボディゾーンとする従来型のビジネスモデルには限界が見えています。

そうした近未来を見据えたとき、今年は塾業界にとって大きなターニングポイントになるでしょう。この変化をビジネスチャンスと捉え、塾の変革に取り組んで下さい。

近々のことで言うと、2017年4月から消費税率10%が待ち構えています。夏の参議院選に合わせて衆議院も解散し、W選挙になるのではないかと噂されていて流動的な面は残されていますが、予定通りに実施されるならば、2017年度の景気後退は必至です。「教育産業は川下」と言われていた昔と違い、リーマンショック後の日本では、教育界も不況の影響をダイレクトに受けるようになっています。「その時」になって慌てないよう、今年は「利益の確保」を重視すべきでしょう。

昔は、個人塾経営でもひと財産を残せる時代がありました。しかし今では、多くの塾が自転車操業であり、小さな減益が命取りになります。多少の業績悪化に耐えられるだけの利益確保は必要です。出来る限り無駄な経費は削減すべきでしょう。
(ただし、必要な投資まで削減すると縮小均衡に陥るので注意してください)

これからの10年、特に直近の5年間は、塾業界にとって大きな変動期です。これをピンチと見るかチャンスと見るか…あなたの経営者としてのマインドが問われています。

いずれにせよ、貴塾にとって2016年が最良の年になりますよう、心から願っています。

 
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