モリモリ元気レポート[104] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

明けましておめでとうございます。平成26年が「あなた」にとって最良の年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

さて、塾の現場では冬期講習の後半、そして受験本番へと最多忙期の真っ只中に正月を迎えています。多くの塾人が「4月が実質的正月」と思われていることでしょう。今回は、その4月をキーワードにお話します。

言うまでもなく、4月は消費税率が5%から8%にアップされる月です。たかが3%ですが、されど3%です。私が指摘したいのは、3%という実質的負担の変化ではなく消費者マインドの変化についてです。

巷で言われているように、消費税UP前には駆け込み需要が起こり、UP後には需要が冷え込むことが予想されます。これはほぼ確定的な予想でしょう。本来、塾というランニング利益を追求するビジネスにおいて、(理屈から言うと)この現象は起こりにくいと考えられます。不動産や家電と違い、先物買いするメリットがほとんどないからです。あえて言えば入塾金くらいのものでしょうか。(それも、入塾金無料キャンペーンが通常化している現在、そんなに大きな要素になるとは考えにくいでしょう)

つまり、塾にとって消費税UP前後で大きな変化はないはずです。ところが…

消費者のマインドというのは複雑です。4月からの買い控え(実際は3月までの前倒し購入)の心理的状態が、塾に対する入塾意識に大きく影響を与えることを心配します。

もともと4月以降に入塾を決断する家庭は、塾に対する必要性をあまり感じていない層です。悩んだあげく、入塾に至るというのが内実でしょう。そうした家庭の多くが消費マインドの減退に影響され、「入塾しない決断」に傾くことは充分に考えられます。

多くの中小塾が春の募集期を「ゴールデンウィークまで」と考えていると思うのですが、今年に限っては4月以降の入塾を期待するのは危険です。どんな手段を使ってでも3月までに予定入塾者を確保することが必要です。

例年よりも早目の募集活動を進めてください。チラシ戦略、紹介キャンペーン、教育セミナー、門配・ポスティング…一か月程度は前倒し、かつボリュームUPで進めることをお勧めします。これまでは「募集活動は入試が終わってから」と考えていた塾もあると思いますが、今年だけは例外としましょう。

もう一つ、今年注視しなければならないのが中教審の答申です。教育再生実行会議の大学入試改革提言を受けて、どんな答申を出してくるか。それによって高校部はもちろん、塾全体の指導体制の改革が求められます。

塾業界が特殊な業界ではなく普通の業界になった今、こうした社会の動きに無関係ではいられなくなります。ぜひアンテナを立て、情報を収集し、早目早目の対策を講じてください。

今年の「あなた」の奮闘を期待しています。

 
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