「きく」という何気ない行為は、生徒にとって非常にパワーフルに作用します。
さて、あなたの頭の中・心の中はどんな状態でしょうか?
授業のこと、作問のこと、生徒の成績のこと、保護者のこと、生徒数のこと、売上げのこと、次の休みのこと・・・などなど色々なことが混在しているのではないでしょうか?
同じことが、生徒の頭の中。心の中にも起こっているのではないでしょうか?
悩み、課題、やりたいこと、遊び、勉強、学校、ゲーム、友達、夢・・・いろんなことがいっぱい複雑に絡み合って抱えている状態です。
そんな状況の生徒に先生は、こんな言葉を掛けがちです。
「早くしなさい!」「そんなことでは合格できないぞ!」「こんな問題誰でもできる!」・・・叱咤激励するのです。
生徒はその叱咤激励をどう受け取るでしょう?
口答えする、だんまりを決め込む、言い訳する、言い逃れをする・・・行動として得られるのは反抗するか、逃避するかのいずれかです。動物的な反応を取ります。
これは、子どもでも大人でも同じなんですね。
あなたが、生徒に取ってもらいたい行動はどんな行動でしょうか?
そのために、あなたが最初にできることは「きく」ことです。
あなたが、しっかりと「きく」ことで、生徒は「話す」。
「話す」には、二つの効果があるのです。
一つ目の効果は「放す」効果です。
あなたがしっかりきくことで、生徒は抱えているものを手放していきます。どんどん手放していくことで、すっきりします。そして受取ってもらうことで安心感を持つことができます。
二つ目の効果は、「離す」効果です。
あなたがしっかりきくことで、生徒は客観的に見ることが可能になります。
「自分のやりたいことはこうなんだ」「自分の課題はこれだったんだ」
たくさんのことを抱えてしまっていて一歩も進めなくなっている生徒の重しを取ってあげるお手伝いがきくことで可能になります。