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【新連載】「『教える』って何?」講座(5)
「生徒を惹き付ける方法<4>」

中平徹也氏

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「なぜ学習塾にくるのでしょう」
基本的には「成績を上げたいから」です。…が、実は一言では言えないのです。ある統計によると中学生の通塾率は約70%(中学3年生の場合87%)であり、ほとんどの生徒が塾通いしています。ですから単に成績を上げるだけでなくさまざまな隠れた要望をもっている生徒がいるのです。これを敢えて分類するなら以下のように分かれます。

A.学校にはついていけるが、受験のためにさらに上を目指したい生徒
B. 学校のテスト(成績)で高得点をとりたい生徒
C. 学校のテスト(成績)を何とか上げたい生徒
  以上は表向きの理由です。しかしさらにもう少し細分化できるようです。
D. 友達(または講師)に会いにくる生徒
E. 家にいても退屈だから塾に行く生徒
F. 周囲に「勉強していること」をアピールするために塾に行く生徒
G. とにかく無理やり行かされている生徒

基本的には「塾には行きたくないけれど、仕方なく通っている」生徒がほとんどと思います(個人的には学習塾は必要悪だと思っています)。特に友人関係(人間関係)の問題が大きく、好きな子や仲がいい子がいるから頑張ったり、逆に、合わない子がいるから塾が嫌いになるなんてこともあります。また、周囲の目があるので、みんなの面前で怒る事で本人の自尊心を損ない、その結果塾嫌いになってしまうこともあります。

そんな中、私が特に注意していたことは「メリハリ」です。もともと勉強嫌いな生徒が多いわけですから、真面目に授業をしても聞きません(聞いているフリはしますが)。ですからまず面白い話などしてこちらに意識を向ける必要があります(今も雑談は欠かせません。ネタも100以上あります)。そして一気に分かりやすい授業を展開します。

また、このまま放っておくと「面白いだけの授業」になってしまいます。ですからしつけには厳しくしました。宿題忘れ・姿勢・遅刻・態度……。こうすることで「この先生は日頃面白いけれど怒ったら怖い。楽しい授業を聞くためにも先生の言うことをちゃんと聞こう」と考えてくれます。


生徒の中にはまじめに授業を受けたい生徒もいます。しかし他の騒がしい生徒を注意することはできません。彼らには彼らの人間関係もあるからです。そして心の中で講師や先生に助けを求めています。「早く注意して下さい」と。ですから「叱るときは叱る」です。

もう一つ重要なことがあります。それは、『勉強する意味・宿題をする意味を伝える』ということです。
よくある悩みとして、「勉強する意味がわからない(ゴールが見えない)」というのがあります。私は彼らに「なぜ勉強しなければならないのか、そしてどのような意識を持たなければならないのか」を徹底的に話します。私は「誰のためでもなく自分自身のために勉強しているんだ、勉強が嫌ならやめればいい。宿題は自分のためであり、先生に言われたからヤルというものではない。自分のためにやりなさい」と言います。

これを読んでいる諸先輩方には当たり前すぎて恐縮ですが、生徒も心を持った人間であり、勉強マシーンではありません。成績は数字で表されますが、その数字を上げるプロセスの中で生徒の心をつかみ、指針を提示しなければ、どんなに知識を与えても吸収してくれないと思います。

 
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