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「生徒を惹きつける+α」講座(9)
「8.問題集の取り組み方」

中平徹也氏

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解説が詳しい問題集、レベル別に分かれた問題集、最近の入試傾向に即した問題集…
問題集選びはよく話題になり、問題集選びのための本も市場に出回っています。しかしながらどんな問題集を使っても、レベルが合わなかったり、使い方が悪ければ全く効果がありません。なお、一応個人意見として、問題集自体には以下のような印象を持っています。

・基本的に悪い問題集は売れないので、今現存する問題集にハズレはない
(使い方が悪いためにハズレととらえることはあるが)。
・標準レベルまではだいたいどの問題集も同じ。であるから、量が多く典型的な問題が漏れなくあるものがよい。
・レベルが合わなければどんな問題集も効果が現れない。つまり大事なことは、今の自分にあっているかどうか(入試問題集を除いて、自力で解答できる問題が40%、解説を読めば解答できる問題が90%ぐらいのものが適当)。

では、どのような使い方がいいのでしょう。以下は間違っている使用例です。しかしながら以下のような使い方をしている生徒がたくさんいます(特に大学受験生)。


【間違った使用法】

<1> 公式や法則、活用表などを頭に入れます。

<2> 入試レベルに対応した問題集を買います。このとき、解説書がぶ厚いものを選びます。なぜいきなり入試レベルかというと、入試まで時間がなかったし、プライドもあったからです。

<3> 問題集を開き、右側に解説をおきます。

<4> とりあえず解きます。
(1)だけ解くと、すぐに答えを見ます。なぜ(2)に行かずに答えを見るのか。それは、こんな言い訳が心の奥底にあるからです。「(1)で間違えると(2)以降は全て間違ってしまい、間違えたまま解くのは無駄だから…」(これは正論ではなく言い訳です)

<5> やがてわからない問題にあたります。すぐに答えを見ます。そして解説書を理解しようとします。

以上、間違いだらけの勉強法ですが、特に<5>が最もしてはいけないことです。というのも、解説を見ることで、「解法ではなく解説書の文意を理解(暗記)しよう」という心理がはたらくからです。その結果、問題の暗記になり、見たことのある問題はできるが、見たことがない問題は全くできないということになります。模擬試験の結果が良いときと悪いときの差が激しい生徒は上記のような学習方法をしている可能性があります。特に学習経験の少ない理科・社会においては上記の学習法では絶対に効果は出ません。

では、どうすればいいのでしょうか?まず、こんな例で考えてみましょう。「もし、小学校2年生にかけ算を教えるなら?」
もしあなたが先生として、この子供にいきなり九九を覚えさせますか?入試問題集を与えますか?解説を横において解かせますか?
ちがいますよね。まず、

(1)かけ算の意味や記号の意味を教える

(2)九九を覚えさせる

(3)基本問題を、解説なしで自力で解かせる。

(4)間違いなおしをさせる。

(5)ある程度経験を積んだ時点で、応用問題を自力で解かせる。

勉強に限らず、何かを習得するのはおよそ同じです。

(1)意味や概念を知る →自力で行うなら「まとめノート作り(後述)」が最適です。

(2)公式や法則を学ぶ

(3)基本問題を自力で解く(または基本的な練習をする)

(4)間違い直し(方法は「5.間違い直しの方法」にて)

(5)入試レベルの問題集にとりかかる

非常に遠回りのような気がしますが、効果性を考えると実は一番の近道なのです。基本問題や基本練習が九九同様にできるからこそ応用問題を思考することができるのです。例えば、かけ算や割り算の筆算がスムーズにできない状態で分数の計算を教えたとします。分数の計算の法則を理解しても、逐一かけ算や割り算の計算がでてきます。そこに労力を奪われ、結局分数の計算に時間をとられ、あげくの果てにその分数の計算法則さえ忘れてしまいます。実際、東京大学の入試問題の作成者さえ、「基本事項がわかっていれば解ける」と言います。

 
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