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エディブロ ネットセミナー
メルマガ 2016年11月

※このコラムは2016年11月にエディブロ導入塾に配信されたメルマガからの転載です。
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森智勝氏

いよいよ新年度に向けた準備が必要になってきました。超多忙期の中、大変だとは思いますが、万全の準備をしてください。

さて、塾というビジネスの性格上、口コミ・評判で集客するのが理想だというのは誰もが思うことです。その口コミのメカニズムについて興味深い事例が最近起こりました。「ヌーハラ」問題です。日本人が面をすする音を来日外国人が不快に思っているという話です。ワイドショーなどにも取り上げられ、有名芸能人や司会者が「食文化なんだから、それが嫌っていうなら来なきゃいいし、食べなきゃいい」「日本の食文化に対して外国人にとやかく言われる筋合いはない」等々、外国人に対する不快感を表明しています。

ところで、この「ヌーハラ問題」の発生源はどこでしょう。

実は、某政治団体を名乗る個人のツイッターから始まりました。それを学研のニュースサイトが取り上げ、毎日新聞のサイトへ転載。ついにはテレビの情報番組が紹介して世に広まりました。けっして、来日した外国人の方が「不快だ」と言い出したのではないのです。日本発のバッシングです。それが「日本に来なきゃいい」まで発展するところに口コミの怖さがあります。

塾の講師が親しみを込めて(冗談で)「お前、アホか」と生徒に言った⇒生徒も半分冗談で、母親に「アホと言われた」と告げた⇒母親は真に受けて「そんな暴言を吐く講師のいる塾には通わせられない」と退塾を申し出た⇒その後もママ友に、いかに酷い塾かを散々言いふらして歩いた⇒結果、塾の評判がガタ落ちし、経営不振に陥った…そんな恐ろしい伝言ゲームが想像されてしまいます。

たとえ真実ではなくとも、一人歩きを始めた「評価」を正すのは至難です。

こんな例もあります。今話題のアクティブラーニングの必要性を証明するデータとして、「ラーニング・ピラミッド」なるものが頻繁に取り上げられます。アメリカ国立訓練研究所(National Training Laboratories)が1946年に発表した、学習定着率をモデル化した図です。曰く「学習定着率は講義-5%、読書-10%…体験-75%、人に教える-90%」ということです。ところが、この数字を裏付けるための実証実験等は一切行っていないということが後日、明らかになったそうです。それでも、何となく正しいだろうというという推論のまま、この図式は今も使われ続けています。一人歩きを続けているのです。(誤解のないように付言しますが、だからラーニング・ピラミッドは間違っていると主張しているわけではありません。ただ数字に根拠がないことを指摘しているだけです。念のため)

つまり、一人歩きを始めた「塾の悪評」は、歩き続ける可能性が高いことを認識してほしいのです。理屈から言えば、良い評判も同じことなのですが、残念ながら「悪事千里を走る」と言われるように、悪評の方が広まるスピードは圧倒的に速いものです。

では、どうすればいいか。

私が塾経営者だった頃、「禁句集」なるものを作っていました。講師たちに「生徒に対して言ってはいけない言葉」を具体的に示したのです。そして…

生徒・保護者に対してはこう伝えていました。

「これが禁句集です。大切な生徒の心を言葉で傷付けないことを心掛けたものです。もし、これらの言葉で傷付くことがあったなら、私に直接クレームを入れてください。私からきつく注意します。ただ、1度目は許してあげてください。彼らはまだ、成長途中の大学生です。思わず失敗することもあります。そうしたことを経験しながら、彼らも成長していきます。ただ、二度目は許しません。即刻クビにします」

全く同じことを採用した講師たちにも伝えていました。「一度は許すけれど、二度目はないよ」と。

するとどうなるか。1つは「塾がここまで配慮してくれている」という安心感を保護者が持つためか、クレームが激減しました。教室の現場では、講師が冗談で「アホか」と言うと、生徒が「あっ、今、アホって言った。塾長に言ってやろ!」と突っ込みます。すると講師も「おぅ、俺に教えてほしくないのなら、塾長にチクれ」と応じています。言葉で表現するのは難しいのですが、互いに笑顔で「冗談」を共通理解としたやりとりをしています。実際にクレームが来ることはありませんでした。

もちろん、万全の対処法など存在しないのですが、「何も対処しない」のは最悪の対処法だと思います。

さあ超多忙期、頑張っていきまっしょい!

 
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