モリモリ元気レポート[95] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

4月、全ての塾が新年度に突入しました。桜前線も随分北上しましたね。あなたの街の桜はいかがですか。

今年度の目標は既に設定していると思います。生徒数・売上…これらの数値を結果目標と言います。結果目標は外部要因によって達成が左右されることがあります。そのため、どうしても「飾り物の目標」になりがちで、夏休みを過ぎた頃には当初に立てた目標値そのものを忘れていたりします。これでは目標を設定する意味がありません。

先日、某優良塾を取材しました。そこでは、各教室に「電話訪問回数」の目標が設定されていました。こうした目標を「行動目標」と言います。行動目標は外部要因に関係なく、あなたやスタッフの意識と努力次第で絶対に達成することが可能です。

最近、経営手法としてKPI(Key Performance Indicator)を導入する企業が増えています。本来は、目標達成度を定量的に把握するための指標を指す言葉です。例えば、単に「顧客満足度の向上」という抽象的な目標では達成度を把握できないため、「リピート率」を指標として設定し、それを追いかけることで改善点を高じていこうとする考え方です。「リピート率が高ければ、顧客満足度も高い」という仮定に基づいています。

楽天の三木谷氏は、「GDPの拡大を目指すために、起業率をKPIに設定すること」を提唱しています。ベンチャー起業家らしい発想です。(実は三木谷氏は同時に、廃業率を重視することも提案しています)

私は、このKPIの考え方を中小塾も導入すべきだと考えています。ただし、あくまでも「考え方」のみの導入でかまいません。「○○すれば、生徒が増える」という仮説を立て、この○○に行動目標を設定します。例えば、「毎月10回の門配をすれば、生徒が増える」「毎月50回の電話訪問をすれば、生徒が増える」等です。前述したように、行動目標は自分の頑張り次第で必ず達成できます。

次に、その進捗状況を「見える化」します。難しく考える必要はありません。誰もが嫌でも目に付く場所にグラフを貼り出すだけです。例えば、「毎月50回の電話訪問」を目標にしたならば、毎日の実施回数を棒グラフ、累積回数を線グラフで書き込んでいくだけです。そのことで常に目標を意識できます。見える化とは「意識化」であり、「感じる化」でもあります。進捗状況が予定よりもずれていた(遅れていた)場合、それにいち早く気付き、対策を講じるための手段です。いわゆるPDCAサイクルを円滑に回すために行ないます。

行き当たりばったりで運営するのと、目標を立て、仮説-検証を繰り返しながら運営するのとでは、はるかに大きな違いが生じます。結果目標だけを立てていると多くの場合、前者に留まります。そして、未達成の原因を外部に求めます。曰く「駅前に大手塾が開校したから」、曰く「子ども手当てが縮小したから」…これを繰り返していても、何の前進もありませんよね。

「自分が源泉」という考え方があります。身の回りに起こった現象は全て自らが作り上げているという前提に立つ考え方です。極端な話、「あの東北大震災は自分が引き起こしたとすれば今、自分は何をすべきだろう」と思考することです。そうすることで、次になすべきことが見えてきます。

行動目標が達成できなかったとしたら、それは間違いなく100%自分の責任です。そう考えると、実に辛い行為ですが、トライするだけの価値はあります。

私は短期的には有り得ても、長期的に見た場合は「ローリスク-ハイリターン」やその逆はないと考える者です。辛い行為を続けていれば、必ずそれに見合うリターンがあると信じています。2013年度、あなたの奮闘を心から期待しています。

 
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