モリモリ元気レポート[93] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

2月に入り、いよいよ受験本番と春期生募集の本番が始まりました。塾の現場では時間がどれだけあっても足りないという状況でしょう。私は1月に地元愛知で、2月の3日には宮城の塾団体に招かれて講演をしてきました。その愛知での講演でのことです。

私の講演では珍しくプロジェクタを使用したのですが、協賛してくれた業者が提供してくれたプロジェクタに驚きました。技術の進歩はここまで来ているのか…と、アナログ人間の私は感動すら覚えたのです。

「短焦点型プロジェクタ」と言うのでしょうか、とにかくスクリーンと機材との距離が近い。最初、ホワイトボードに接するように置かれたテーブルの上に設置してある機材がプロジェクタとは気付きませんでした。ほんの数十センチの距離に置かれたプロジェクタで、ホワイトボード全面に映像を移すことができます。

私がプロジェクタが苦手な理由の一つに、眩しさがあります。ホワイトボードに書き込みをするときも、影が邪魔をします。そうした難点が全てクリアされているのです。「す、凄い!」私は唸りました。聞けば、本体だけなら十万円を越える程度だそうです。

板書指導の弱点は、スピード感に欠けることです。例えば数学の図形問題。例えば英語の長文問題…教師が問題を書き記している間、生徒は何もすることがなく怠惰な空気が教室に漂います。教師自身は問題を書くという作業をしていますから、気付きません。また、どうしても生徒に対して背を向ける時間が長くなり、黒板を見ながら(生徒を見ずに)解説をするという状態になります。これでは「この先生の授業は凄い」という評判を作ることは難しい。プロジェクタを導入することで解決できるなら、一考の余地はありそうです。少なくとも、「学校の授業とは違う」というイメージを作ることは出来るのではないでしょうか。

今回のプロジェクタを見て思うことが2つありました。1つは私自身の経験です。私が今でもお付き合いしているOA機器業者の社長は、「コピーはリコー、什器はコクヨ、内装はサンゲツ…」とにかく高いブランド商品を勧めてきます。私が「豚印でも何でもいいから、もっと安いのはないの」と文句?を言うと、「森先生、安物で揃えていると、塾そのものが安っぽく思われますよ」と、反論されました。その論理に妙に説得され、ついには生徒が座る椅子ひとつに20,000円(定価25,000円)を投資するまでになりました。床には1㎡で1万円近いタイル・カーペットを敷きました。お陰で、「あの塾の設備は凄い」という評判を作ることが出来、集客には多大な貢献をしたものです。簡単な計算をすると分かるのですが、20,000円の椅子も10年使えば月々167円、30脚揃えても月に5,000円の投資です。一人塾生が増えればペイする計算です。長引く不況で設備投資に慎重になっている塾が多いとは思いますが、やはり拡大再生産を目指すには一定の投資は必要です。冷静に計算すれば、違う将来像が見えてくるのではないでしょうか。

もう1つは、情報収集の重要さです。私も、講演に出掛けてはじめて短焦点型のプロジェクタを知ることができました。知ることで、授業改革の道筋が鮮やかに想起されます。優れたアイディアは、何もないところから湧いて出ることはありません。何かに触発されて脳が活性化し、化学変化を起こすのです。最近、各地での情報展に来場する塾関係者の数が減少していると聞きます。教室と家の報復ばかりでは新たな発想は生まれません。積極的に出向くことを強くお勧めします。

さあ、受験指導に、新規塾生募集に、大いにご活躍ください。

 
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