モリモリ元気レポート[84] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

ゴールデン・ウィークが空け、すっかり初夏の陽気になりました。関東では竜巻の被害が甚大です。改めて自然の脅威を感じます。一方で、世間では来週に迫った金環日食の話題が沸騰しています。観測できる地域の塾の中には「金環日食・特別講座」を設けたところもあります。21日(月)当日は、多くの人が早起きすることでしょう。

さて、これからの時期は夏期講習に向けての準備が本格化します。昨年を振り返り、至上最高の講習を用意してください。言うまでもなく講習は、塾というビジネスにとって重要な「商品」です。商品のクオリティが高くなければ、どんなマーケティング戦略を駆使しても逆効果になるだけです。以前もお話しましたが、かつては「タレント・ショップは3ヶ月で潰れる」という定説がありました。開店のときは多くの客が殺到するかもしれませんが、商品力がなければ「あの店の商品はたいしたことがない」という悪評も広まるのが早いものです。全ての基本は商品力にあることをお忘れなく。

それを前提としたお話です。ぜひ、今の時期は「紹介による集客」に力を入れてください。春期(1月~3月)に紹介キャンペーンを実施する塾が多いと思いますが、これからの時期がキャンペーンに最も適しています。なぜか?-友人関係がまだ確立されていないからです。

4月になって、進学や進級のクラス替えによって新たな友人関係が始まります。子供たちは手探りの中で新たな「自分の世界」を作ろうとしています。実は、こうした不安定な状態の方が「紹介」は生じやすいのです。誰かと仲良くなる「きっかけ」の一つとして「ねえ、今度、私の塾で○○があるのだけれど、遊びに来ない?」という勧誘をしやすくなります。また、相手もより強い絆を求めていれば、その誘いを肯定しやすくなります。5月~6月は、誰もが誰かと仲良くなる「きっかけ」を探している状態なのです。塾がその「きっかけ」を提供してあげることができれば、見込み客の獲得に寄与することでしょう。

方法としては「2ステップ方式」をおススメします。直接、夏期講習生を紹介で獲得するのではなく、ハードルの低い企画を立てて、そこに友人を誘ってもらう方法です。そして、その参加者に改めて夏期講習をお勧めするという2段階を設定します。なぜなら、塾生は直接の顧客ではないからです。塾にとって直接の顧客は保護者です。以前、週刊誌等で「塾が生徒をセールスマンに仕立てている」と非難されたのは、生徒に直接紹介を要請したことが原因です。いつもお話しているように、紹介制度の天敵?は「後ろめたさ」です。いかに「後ろめたさ」を消すかが成功の鍵を握っています。「私の通っている塾の夏期講習を受講しない?」というセリフは、ハードルが高すぎてなかなか口にできないでしょう。ましてや「1人紹介で図書券○○円分」などというオファーが付いていれば尚更です。

一方で、保護者に対しては堂々と紹介を要請しましょう。「娘の通っている塾、いいよ。一度、夏期講習だけでも受講してみれば?」と言ってもらうのです。保護者会、教育セミナー等の機会を捉えてお願いします。やっぱり、ここでも天敵は「後ろめたさ」です。あなたが後ろめたさを感じながら話していると、それは確実に伝播します。正々堂々、明るくお願いすることです。

私は以前から、後ろめたさを感じさせる「金券」の使用を避けるようにおススメしていますが、特にキャンペーン中は別のオファーを提示したい。過去の例で言うと、「紹介20名でハワイ旅行ご招待」は秀逸です。ここまで突き抜けたオファーを提示すれば、後ろめたさも吹き飛びます。

そう、紹介キャンペーンのコツは、堂々と明るく派手に…お祭り騒ぎのように実施することです。ポスターも、B4やA3のコピー用紙ではなく、B紙を用意して壁一面に貼り出すことです。

ニーズで成り立つビジネスである塾にとって、紹介による顧客獲得は経営の生命線です。その線を詰まらせている物の正体が「後ろめたさ」です。ぜひ、それを払拭する工夫をしてください。生徒や保護者が喜んで友人を紹介する「塾」を作り上げることが、安定経営の王道です。

 
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