モリモリ元気レポート[79] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

12月に入り、一気に冬の様相が濃くなってきました。北国からはすでに雪の便りが届いていますが、塾業界はこれからが最多忙期です。お体を大切にしてご活躍下さい。

先日、つむぎクラブの会員さんから緊急の問い合わせが入りました。本来、「つむぎクリニック」でお伝えする内容なのですが、来春に向けた戦略構築に関連する内容なので、ここで取り上げます。最初に届いた相談内容は次の通りです。

最近些細な事でクレームを言ってくる、保護者対策についてご指導願いたいのです。永年経営してきて大した混乱も今までは無かったのですが、大変おかしなことを言ってくる保護者が最近いまして、頭を痛めております。一般常識的な対応と奉仕の精神でやっているのですが、杓子定規に考える親もいて、規約を作らなければいけないのかとも感じます。しかし、決まりなど細かく決めていくと切りがなく、どの程度まで文書で契約なりを決めておく必要があるものでしょうか?何やら世知辛い世の中になりました。

確かに、最近の若い保護者の中には我々が「常識」と考えていることが通用しない方がいらっしゃいます。ただ、ここで言う「大変おかしなこと」の内容が分かりませんので問い合わせてみると、事態は予想以上に深刻だったのです。

(前略)中1生がなかなか覚えられないので、べつに怒りもせず出来るまでやらせていましたら、出来ないと言って本人が泣き出しましてかなり感情的になって帰りました。母親にそのことを報告し、これからはこのような指導は控えますと話した翌日、父親からやくざ風の物の言い方で「うちの息子を泣かすような事がこれからあったら、教室に火をつけるぞ!・・・」という剣幕、焦ったと同時に警察に相談に行こうかとも思ったくらいです。後で聞くと、その筋の方らしくて、そんな事を理由に退塾勧告が出来るかどうかの相談でした。(後略)

その後、事なきを得たようですが、こうした問題はどの塾でも起こり得ることです。同様のトラブルを未然に防ぐために、2つの提案をします。1つは「モニター制度」の導入です。

信頼できる家庭にお願いしてモニター生になっていただきます。入塾希望があった場合、必ずモニター生の保護者に相談します。きっと、そうした不良生徒・保護者の情報は、先生よりも地域の保護者の方が詳しいはずです。入塾を許可してから「退塾勧告」をするのは難しいものです。また、そのことで逆恨みされ、大切な塾生に迷惑が及んでは一大事です。自塾に相応しくない家庭と判断した場合は、何か理由を付けて入塾をお断りします。入塾テストを実施するのも一つの方法です。

私は現役時代、入塾面談で必ず学習環境を問い質しました。ほとんどの生徒は自分の部屋にテレビ、ゲーム、携帯を持っています。どうしても入塾させたくない生徒は、「そんな環境では当塾に入っても意味がない。まず、部屋のテレビを金槌でぶち壊してから来てください」と追い返していました。

大切な塾生を守ると同時に、塾の評判を壊さないためにはやむを得ない処置だと考えています。学校で評判の「いじめっ子」が入塾したために優良な塾生が大勢去って行ったという例は、枚挙に暇がありません。

もう1つは、事前に「居残り指導許可書」を作成しておくことです。入塾書類に加えて、許可書を提出してもらいます。どの塾でも居残り指導はしていると思います。もちろん、今回のようなトラブルを防ぐ意味もありますが、書類を作成することによって「熱心な塾」を形にしてアピールする効果もあります。

実際、世知辛い世の中になったのかもしれませんが、危機管理は必要です。来春の募集期に向けて、ぜひ検討して下さい。

 
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