モリモリ元気レポート[75] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

夏期講習、お疲れ様です。節電が求められている今年の夏は、一段と暑さが身に沁みるのではないでしょうか。もう少しで盆休みです。頑張って下さい。

先月、研修の重要性についてお話しましたが、その後、気になる記事を見つけました。

「餃子の王将」を運営する王将フードサービスはこのほど、同社の新人研修について説明する文章をサイト上で公表した。テレビで紹介された研修の内容の厳しさに、ネット上などで反響が大きかったのを受けて同社の考え方を説明するものだったが、この説明についてもまた賛否両論が交わされている。

ことの始まりは4月11日に情報番組で放送された、同社の新人研修に密着した企画。新入社員が今後の抱負を絶叫する様子など、過酷な内容が「ブラック過ぎる」などと話題になり、同社にも意見が寄せられたという。

同社によると、「一見時代に逆行するかのようにも見える研修」を敢えて実施するのは、新人が職場でやりがいと存在意義を見つけるために、応用ができるようになるための基本と、一定のルールに従うことで初めてチームの仲間に加われること──を知ってもらうためという。

職場で必要とされるためには社会人としての自覚を身につける必要があるが、「ややもすると個人の自由という名目でわがままを通すことが黙認」されてきた若者を受け入れるにあたり、「通りいっぺんの無難な研修では学生気分から脱却させることはできない」として厳しい研修を実施しているという。

同社が研修を通してもっとも教えたいのは、「感謝を知る」こと。現在の若者は「汗をかかない」「涙を流さない」「感謝を知らない」の3つが欠けているとし、新入社員が「仲間に支えられての自分であることを知り、感謝を知ること」が研修の本当の目的だとした。厳しい研修だと認めつつ、「これを乗り切ることで感謝を知り、少しでも夢に向かって歩める自信を持つことができる」という。

テレビ放送については「一面的な表現しかされず、研修の真意が十分には伝わらなかった」と触れた。

これに対するネットユーザーの反応はさまざま。「社会って怖い」「若者を馬鹿にしちゃ駄目」といった批判的なコメントから、「こういう研修が志望者を遠ざけてしまう可能性もある」という同社への苦言、「王将の考え方だから、他の人がとやかく言う問題じゃ無い」という冷静な反応まで、さまざまな意見で盛り上がっている。

王将の新人研修の厳しさは有名で、私も(同じ番組かどうかは定かではありませんが)テレビで研修風景を拝見したことがあります。その是非を論ずる資格を持っていませんので、研修そのものに対する評価は避けますが、(こうした時、有資格者は主催者と受講者しかないと考えています)長引く不況下で王将が「外食産業の一人勝ち」と言われているのは事実です。その業績好調の背景に、この厳しすぎる研修?の存在があることも否定できません。

塾業界でも業績を伸ばしている塾は決まって、(様々な意味で)厳しい研修を課しているものです。少なくとも、研修もせずに現場を任せて業績が好調な塾は皆無だと言っていいでしょう。

塾業界のように縮小均衡市場に陥った業界では、「シェア1位の企業がダントツの業績を上げる」のが常識です。地域一番塾が圧倒的なシェアを誇ります。中小・個人塾でも、「企業規模では敵わないが、1教室単位ならば隣の大手塾に負けない強さ」を必要としています。

盆休みは、疲れた体を休めるとともに、後期の経営方針を見直す好機です。強い体質の塾作りは、強いスタッフの養成にかかっています。小さな改革を進めつつ、塾の根幹部分の強化にも取り組んでください。

春に予想したように、(今年度中の廃止は回避されましたが)子ども手当ての来年度廃止が決定したようです。規模を縮小した児童手当に戻ります。高校授業料の実質無料化も野党の厳しい反対にあっています。業界にとっては逆風が続きます。しかし、ヨットは向かい風でも前進します。逆風も捉え方ひとつということなのでしょう。

残された講習、暑さをものともしない奮闘を心から期待しています。

 
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