モリモリ元気レポート[73] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

「元気レポート」というタイトルとは裏腹に、今年の春は元気なニュースが少ない。震災の影響で全国的に暗いニュースが多いですね。これを書いているのは6月1日ですが、今日にでも内閣不信任案が提出されるとか。政治空白が被災地の復旧・復興の妨げにならないことを祈るばかりです。

さて、過日に社団法人青少年育成協会が主催する「次世代リーダー育成セミナー」を大阪で開催しました。教育は不断の社会的要請です。常に次の人材を育成する取り組みが必要とされています。塾業界の経営者の多くは団塊の世代であり、業界の未来を牽引する若者の存在が不可欠になっています。

形態が法人か個人事業主かに関わらず、塾の永続的な発展を目指すのは経営者の責務です。地域になくてはならない塾こそ、その取り組みが求められます。

ただ、中小・個人塾は時間的・資金的にどうしても制約があります。日々の業務をこなすのに精一杯で、将来に向けた投資に消極的です。しかし、その部分が大手塾に勝てない要因の一つであることも事実です。

私がお勧めしているのは、年間計画の中に予(あらかじ)め研修計画を盛り込み、それを絶対に守ることです。細かい指導は日々の業務の中で指摘もできますが、塾の理念を深めることやモチベーションの高揚を図るにはまとまった時間が必要です。年に3回程度、理想は2泊3日、無理ならば1泊2日の予定で合宿研修を実施すると、スタッフの団結力や組織力が目に見えて向上します。

私が塾経営(と言っても社員十数名の小さな塾ですが)をしていた時、年に2回、慰安を兼ねて全社員、全アルバイトを連れて近くのリゾート地へ合宿旅行をしていました。その第一回の合宿旅行のことです。

初日の予定は、夕食の後に2時間の社員会議、そしてバイトも合流してカラオケか飲み会…まあ、こちらがメイン・イベントのような「ゆるいスケジュール」です。ところが、社員会議が思いのほか白熱してしまい、部屋の外で待っていたバイト生たちが痺れを切らして部屋に入ってきました。そして、驚いたことに「遊びに行くことを取りやめて、その議論に自分たちも参加したい」と言ってきたのです。どうやら、ドア越しに我々の議論を聞いていたようです。

それから朝方まで教育について、塾生の対応について全員で語り明かしました。普段の教室では聞けない社員やバイト生の真剣な意見が聞けました。私も柄になく真面目に語ったものです。合宿から帰ると、全スタッフの動き、真剣味は明らかに違っていました。何より、私自身の考え方が一変していたのです。その効果を実感したことが、合宿旅行を定例化させた理由でした。

このメール・セミナーでも「場所を変えて考える効果」をお話したことがあります。半分冗談で(半分は本気で)「戦略構築は温泉宿で」とお勧めしています。研修も同様です。環境を変えることは重要です。

研修はスタッフの多い・少ないとは関係なく、塾の発展・継続のためには必要不可欠な取り組みだと考えています。前述のような外部研修を利用することも有効でしょう。人は、「自分が成長できると確信する場所」からは離れないものです。あなたの塾でも研修の充実を図ってください。

 
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