モリモリ元気レポート[71] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

2月、自らの不注意から左上腕部を骨折し、先月のメール・セミナーを休んでしまいました。ご迷惑をお掛けした関係各位にお詫び申し上げます。現在は半分程度の部分の骨が形成され、簡単なリハビリを始めたところです。

不自由な生活が続く我が身の不幸?を嘆いている時、東日本を未曾有の大災害が襲いました。すでに阪神淡路大震災時の犠牲者数を上回り、戦後最大の災害となりました。犠牲になった方々のご冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

こうした時、僅かな義援金を送る以外に何も出来ない我が身の無力さを痛感します。多くの方が同じ思いをされていることでしょう。そんな時、テレビに映った多くの著名人の言葉がヒントを与えてくれました。例えば、プロ野球選手は「野球で元気を与えることしかできない」と言い、ミュージシャンは「歌を通して少しでも笑顔を取り戻してほしい」と言います。全くその通りで、彼らが救援物資を積荷したり、現地で泥だらけになった家具を運ぼうとしても、あまり役に立たないでしょう。(その行為そのものは尊いことですが…)

それぞれが、それぞれの専門分野で最大限貢献することが、社会全体として最も効果的な義援であり、復興への最短コースです。そう考えた時、我々塾人の為すべきことも見えてきます。

我々は学問指導を通して未来の大人を創っています。よく「子供を育てる」と言いますが、塾業界のボディーゾーンである中3生は、5年もすると大人です。我々は子供を育てているのではなく、確実に大人を作っているのです。それはすなわち未来の社会を創っていることに他なりません。我々の究極の使命は、より良き未来を創ること、それに資する人材を輩出することです。

ぜひ、塾生たちに伝えて下さい。

「今の1万人は救えなくても、未来の1万人を救える人になれ」と。

それは、震度7の地震や大津波にも耐えうる原発を作る技術者かもしれません。有事に適確な判断を下せる国のリーダーかもしれません。あるいは、大地震を予知するシステムを開発する科学者かもしれません…。そうした人材を一人でも多く「あなたの塾」から輩出することが、あなたの使命です。そして、「そうした人になるために今、君たちは勉強している」と伝えてほしいのです。

多くの大人たちが、今回の惨状を契機に、様々なメッセージを子供たちに投げかけています。
曰く「こうした困難を乗り越えるために協力しよう。」
曰く「今、命があり勉強できる幸せを胸に刻もう。」

どれも正しい主張です。しかし、子供たちにとっては想定内のセリフです。人は予想された言葉に触発されることはありません。

彼らの多くは、勉強する理由を「あなたのため」「あなたが幸せに生きるため」と聞かされています。それが子供たち(現代の日本人)が自己重要感を喪失している大きな原因です。そうではない。「あなた」という存在は、(陳腐な表現かもしれませんが)世のため人のためにあるのだと教えてあげて下さい。自分のことだけではなく、回りの人、まだ見ぬ未来の人のことまで考えることができるのは、この地球上で人間だけに与えられた能力です。

私は、そうした行為…より良き未来を創ることが、犠牲者の魂を昇華することだと信じています。

 
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