モリモリ元気レポート[54] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

私が理事を務めている社団法人青少年育成協会(以下「日青協」)主催の「次世代リーダー育成セミナー」を実施することになった時のことです。企画の段階で、出来る限り参加費を抑えたいという趣旨から、会場を安く借りられないかと思案しました。そこで浮かび上がったのが大手塾の持っている研修室を無償で借りる案です。ところが、他の日青協スタッフは常識が備わっています。「とても、そんな図々しいお願いはできない」といった風情です。そこで厚顔無恥な私の出番です。

「さなる」の社長、佐藤イサク先生の携帯に電話を掛け、交渉し、新宿にある総本社のセミナールームを五日間、無償で借りることになりました。(佐藤先生、ありがとうございます!)

相手が大手塾だろうが国家権力(大袈裟?)だろうが、利用できるものは何でも利用するという大らかな?精神が功を奏しました。

そこには私が生来持っている「ダメもと」の考え方がベースにあります。

私は「ダメで元々」、「無駄で終われば御の字」と考えています。「どうせ、断わられるに違いない」「そんな方法、失敗するに決まっている」と消極的に考えていると、何も実行できません。「害」(リスク)があるのでしたら考えますが、「無駄」が「害」になるとは思えないのです。ところが世の中、「そんなことをしても無駄だよ」という理屈が大手を振っています。多くの人が『無駄』に対して恐怖心を持ちすぎているように感じるのです。

「振られるのが怖いから告白しない」という草食系男子が増えているそうですが、告白して振られるのも、告白せずに彼女に出来ないのも…結果は同じですよね?だったら告白した方がいい!受験生でも「どうせ落ちるから受けても無駄」という理由で志望校を回避する人がいますが、「落ちて行けないのも受けずに行けないのも結果は同じ」だと思うのです。

後悔には2種類あります。

「やった後悔」と「やらなかった後悔」です。「やった後悔」は瞬間的には強烈かもしれませんが、必ず昇華させることができます。しかし、「やらなかった後悔」は一生消えることがありません。

世の中には短期的に「無駄」と評される事象はありますが、無駄であり続けることは有り得ないと考えています。

前例の「告白して振られること」も、きっと「勇気」という「力」(俺は告白する勇気を持てたんだという自信)を与えることでしょう。企業経営における「あなたの行動」も同じです。無駄に終わることを恐れて何もしないよりは、無駄に対する免疫を作るくらい行動した方が絶対に「正しい行為」なのです。少なくとも「コレは効果がなかった」というデータくらいは得られます。

何度も紹介している逸話ですが、エジソンは電球の発明に際して、フィラメントに適する素材を見つけるため、4000種以上の実験を重ねました。ある時、友人が尋ねました。「そんなに失敗ばかりして嫌にならないか?」するとエジソンは平気な顔をして言ったそうです。「失敗だって?何を言っているんだ。私はフィラメントに適さない素材を4000種以上も発見したんだよ。」そして、日本の竹の繊維を利用した電球の発明に成功します。このエジソンの姿勢こそ、今の我々に必要な行動姿勢です。

問題はリスクが予想される時です。最も一般的なのは「費用」が掛かるとき。その行為を実行するのに100万円必要ならば当然、事前に検討することが必要です。その時のポイントは、それが「経費」なのか「投資」なのかという判断です。単なる経費ならば縮小することも必要ですが、リターンを前提とした投資を削減し始めると、経営そのものが縮小均衡へと向かってしまいます。ところが、この投資までも「無駄」の二文字で削減している塾を多く見かけます。

具体的な例については次号で解説します。

 
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