モリモリ元気レポート[51] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

いよいよ夏期講習です。すでに募集を開始され、多くの受講申込みが来ていることでしょう。今年は例年以上に春期の動きが鈍く、この夏に期待されている塾が多いものと思われます。

通常の入塾申込みとは違い、夏期講習は「申込み時」と「受講日」の間に長いタイムラグが存在します。7月の初旬に申込みはあったが、実際の講習が始まるのは1ヵ月後ということも有り得ます。その間、申込者に対するアプローチを何もしないというのはマズイ。人は「自分の存在を忘れられているのではないか」という思いを辛く感じるものです。ぜひ、「あなたのことを忘れていませんよ」というメッセージを届けましょう。予習用の教材を送ったり、昨年の模擬試験を送って実力判定をしたり…そうしたちょっとしたアプローチが「顧客ロイヤリティー」を高めるコツです。そうした些細なことの積み重ねが「面倒見の良い塾」という評判を作っていきます。

外部講習生を後期生として正式入塾させることは塾の必須課題です。これは「評判」の拡大法則に関係した課題です。本来、評判とは「客ではなくなった人」が拡げてくれます。良い評判は志望校に合格し、円満に卒塾した生徒及びその保護者が広げてくれます。逆に、悪い評判は途中退塾者が拡げることになります。退塾理由が生徒本人にあったとしても、その生徒はけっして良い評判を作ってはくれません。それどころか、「あんな塾に通っている奴の気が知れない」程度のことは吹聴している可能性もあるのです。

講習だけ受けて入塾しなかった生徒は退塾者と同じ行動をとります。母親も「夏期講習は受けてみたけれど、ちょっとね…」と話すことになります。夏期講習にたくさんの申込みがあったと喜んでばかりはいられません。それは、悪い評判を拡げる原因にもなりかねないのです。

対応策の大前提は、受講者の期待値を上回る講習を実施することです。全ての基本は「商品力」にあることは言うまでもありません。今からでも間に合います。カリキュラムの変更等は無理でも、今までの授業内容を見直し、受講生が感動する圧倒的な授業を構築して下さい。夏こそ塾の教務力が試されます。

その上で、徹底的なコミュニケーション対策に取り組みます。生徒とのコミュニケーションはもちろんですが、保護者とのコミュニケーションを蜜にして下さい。夏休み中に最低3回の接触をおススメします。コツは…例えば電話訪問の場合、「今日、○○君が初めて挙手して答えてくれました。嬉しくて、思わず電話してしまいました」のような些細な報告にすることです。こうした報告は保護者、特に母親にとって嬉しいものです。電話訪問と言うと、「何を話せばいいのだろう?」と構える人がいますが、日常風景で充分です。「最初は緊張していたせいか落ち着きがなかったのですが、今日は集中して授業を受けてくれていました。嬉しくて…」でも充分です。最後に「(私が)嬉しくて…」という「Iメッセージ」を加えて伝えると、より効果的です。

初めて通わせる塾に対しては、本人以上に保護者が不安に思っているものです。保護者の不安を解消するには「密なるコミュニケーション」に勝るものはありません。講習前の、講習中の、そして講習後のコミュニケーション対策を今すぐ練って下さい。

 
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