モリモリ元気レポート[132] -つむぎクラブ掲載文より

写真
森智勝氏

ゴールデンウィークが終わります。のんびりと命の洗濯をして英気を養ったことでしょう。これから日常が始まります。奮闘を期待します。

とある個人塾の塾長が3月の末に急性虫垂炎にかかり、2週間ほどの入院を余儀なくされました。留守中は残された社員とバイトで凌いだのですが、春期講習の半分(塾長担当)は実施できず、講習費の半額を返金したそうです。真面目で実直な方ですね。私ならゴールデンウィークを使って振替講習をして、意地でも返金しないところですが…。

個人塾の経営はひとえに塾長の健康が前提に成立します。体調管理には万全を尽くしてください。

さて、熊本大地震では50名以上の方が犠牲になり、今でも多くの方が不自由な生活をされています。あらためて犠牲者のご冥福を祈り、被災された方にお見舞いを申し上げます。

こうした時、自らの無力さを痛感します。何かしなければと思うのですが、何もできないことに唖然とします。ただ、「自分の置かれた立場でできることをすればよい」という世間の優しさに甘えて、以下を続けます。

報道によると、芸能人も現地に赴き一般の人に交じってボランティア活動をしているそうです。それも、一般の人と同じく、瓦礫の除去や炊き出しをしていると。本当に頭が下がります。売名ではなく一個人の思いがそこに見られます。その思いは貴く、尊重されなければなりませんが…あえて、反感を承知で言います。

芸能人、特にスターと呼ばれる有名人は、そんな方法でボランティアをすべきではない。

瓦礫の除去や炊き出しは一般の方でもできます。スターと呼ばれる方には「スターにしかできない方法」で被災した方々を慰めてほしい。瓦礫を持つ手、カレー皿を持つ手で、できるだけ多くの被災者の手を握ってあげてほしい。「辛い思い、大変な生活を強いられたけれど、スターの〇〇さんと握手ができて少し得した」と思わせてあげてほしい。ミュージシャンなら歌を、役者なら寸劇を披露してあげてほしい。辛い思い出だけでなく、そこにほんの少しでも楽しい思い出が混じるようなボランティアは、有名人だからこそできるのです。売名行為と誹られることを覚悟して、有名人にしかできない支援の方法を選択してほしいのです。

我々はビジネスマンですが、教育者の端くれでもあります。その我々にしかできないことがあるはずです。

東日本大震災の時、私はみなさんにこうお願いしました。「塾生に対して『未来の1万人を救える人になれ』と主張してください」と。そのために勉強が必要なのだと…。生徒が最も信頼している「あなた」の主張だからこそ心に刺さると信じています。

もともと教育は「未来を創る行為」です。そこに携わる我々にしかできないことを探し、実行することが求められています。今回の災害を遠くで起こった不幸としてスルーするのではなく、そこから何かを教訓として生徒の心に刻み付けること。それは「あなたにしかできないこと」なのではないでしょうか。

 
© 2015 全国学習塾援護会