モリモリ元気レポート[130] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

3月。塾によっては新年度をスタートさせる月です。新たな1年が貴塾にとって、そして貴塾の生徒にとって素晴らしい1年になりますように。

3月は入試・年度替わり・新規募集と、塾の現場が最も混乱する月です。だからこそ、ミスも発生しやすい。特に連絡の不備が多くなりがちです。そんな時、「忙しいのだから仕方がない」と考える塾は市場から見捨てられます。客にとって、店が忙しいかどうかは関係ありません。また、ミスが出たときに誰かのせいにする対応も頻繁に見られます。曰く「すみません、現場の講師がしっかりとお伝えしていなくて…」、曰く「すみません、御本人さんには口頭で説明したはずなのですが…」。言外に「私は悪くない」と言ってしまいます。あなたも被害者?の立場に立てば分かると思うのですが、交渉相手が「自分は悪くない」と主張すればするほど、怒りの火に油が注がれます。

もともと塾はクレーム産業と言われています。「成績向上」「志望校合格」という不確かな成果を売り物にするのですから、構造的にクレームが多くなるビジネスなのです。ところが、現場(個人塾なら「あなた」)はクレーム対応のマニュアルがありません。どうしても言い訳が多くなります。その筆頭が「誰かのせい」です。結果、事態を複雑化させてしまいます。

クレーム対応の基本は、最後に感謝の言葉を述べて終息させることです。「ありがとうございます。ご指摘のおかげで、当塾の不備を1つ修正することができます。本当にありがとうございます」

実はクレームを言う側も勇気がいるのです。「クレーマーだと思われたらどうしよう」という不安を抱えています。そうした時に感謝の言葉を言われると、「私はクレームを言ったのではない、提言をしたのだ」と脳内変換されます。ビジネス界で「クレームはチャンス」と言われるのは、この脳内変換された客の多くがその後、熱烈なファンになってくれるからです。もしそうならば、クレーム産業の塾には「チャンスが目白押し」です。ぜひ、クレーム対応の研修も実施してください。もちろん言うまでもないことですが、クレームが発生しない緊張感を持つことが大前提です。

こうした話をすると、「本当のクレーマーにはどう対処すればいいのですか」という質問を受けることがあります。もちろんケース・バイ・ケースですが、本物のクレーマーならば恐れることはありません。切って捨てればよろしい。地域は「あなたの味方」になってくれるはずです。本当に恐れなければならないのは、常識ある正当なクレームに対する対応を疎かにして、地域の評判を落とすことです。それに、一所懸命努力した末のミスを咎める人はいません。あなたが手を抜いた結果のミスだから周りは怒るのです。

これも以前から話していることですが、一所懸命に指導した結果の不合格に理不尽なクレームを付ける保護者はいません。あなたが手を抜いた結果の不合格ならば、それは正当なクレームです。

3月、あなたが一年間取り組んできた結果が突き付けられる時期です。全ては「己が源泉」の覚悟で対峙し、今後に生かしていきましょう。「誰かのせい」にしても売り上げや生徒数は増えません。また、結果を真摯に受け止め生かすことができれば、必ず次のチャンスをつかむことができるはずです。

今後、1年間の奮闘を期待します!

 
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