モリモリ元気レポート[125] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

ラグビーのW杯イングランド大会初戦において、日本は南アフリカを破るという快挙を成し遂げました。過去のW杯で1勝21敗2分けという出場国中最低勝率の日本が、25勝4敗、優勝2回の最高勝率国に勝ったのです。スポーツ史上最大の番狂わせです。世界中が驚愕しました。しかしこれを、安易に「奇跡」とか「まぐれ」という言葉で片付けることはできません。

全てのボールゲームの中で、ラグビーは最も番狂わせが起きにくいスポーツです。実際、これまでのW杯でランキング10位以下の国がトップ3の国に勝ったことはありません。(今回の日本が初めてです)日本が勝った背景には勝つべき理由があったのです。

4年前、エディーHC(監督)を招聘して作られた新生ジャパンは、その日から次のW杯初戦を見据えた強化を開始します。まずは徹底した基礎体力の強化です。合宿では夜明け前から1日3部構成の練習に取り組みました。そのあまりのハードワークと拘束期間の長さに、所属する企業チームから何度もクレームが入ったようです。しかし、その成果は見事に表れました。最後の逆転トライは正に、南アフリカとの持久力差を見せ付けました。体格的に劣る日本でも、体力(持久力)で上回ることが可能だと証明してくれました。

次に挙げられる勝因は、徹底した戦略・戦術の構築です。初戦の相手が南アフリカと決まった時から、日本は勝つための準備を始めました。相手を分析し、守備では二人掛かりのタックル、攻撃ではボールをつなぐ波状攻撃の徹底を図りました。2つ目のラインアウトからのトライ、そして最後の逆転トライは、戦術が見事に功を奏した瞬間です。

そして最後に挙げなければならないのは勝ちにこだわる執念です。最後、ゴール前で相手の反則によって日本は、ペナルティゴールの権利を得ました。ゴールが決まれば同点です。予選突破を考えれば、安全に引き分け狙いは充分に考えられる作戦です。実際、エディーHCは無線でキックを指示したと言われています。しかしグラウンドの選手たちは勝利にこだわり、スクラムを選択しました。俺たちは引き分けるために厳しい練習を積み重ねてきたのではない。勝つためだ!…スクラムに向かう選手たちの背中は、そう叫んでいました。

この勝利が日本に感動と勇気を与えたのは間違いありません。特に、受験生の皆さんには大きな福音になったのではないでしょうか。基礎学力を鍛え、勝つための戦略・戦術を練り、最後まで勝利の執念を燃やす…もし「奇跡」という現象があるとすれば、そうした努力を積み重ねた者にだけ訪れるのです。受験まで半年、諦めるのは早い。まだまだやれること、やるべきことがあります。最後の最後まで勝利の執念を燃やすよう、あなたの熱い指導を期待します。

また、同じことは塾経営にも言えます。ビジネスに奇跡はありません。勝つには「勝つ理由」、負けるには「負ける理由」があるのです。

第2戦のスコットランド戦には破れ、執筆日の今日、運命のサモア戦です。結果はどうあれ、熱い戦いを期待します。

 
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