モリモリ元気レポート[120] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

ゴールデンウィークはどうでしたか?

塾人にとってゴールデンウィークは唯一といってもよい「命の洗濯時期」です。充分に英気を養ってエネルギー満タンになっていることでしょう。

さて、私はゴールデンウィーク中もいつもと変わらず仕事をしていたのですが、某バラエティ番組で「我が意を得たり」と思う場面に遭遇しました。あなたは「しくじり先生」という番組をご存知でしょうか?芸能界で「しくじり」をした芸能人が講師になって、その内容を面白おかしく赤裸々に語る番組なのですが、その中でオリエンタルラジオの中田敦彦さんが新番組に臨むタレントの心得について講義していました。

中田氏「新番組のスタッフに『絶対に結果を残してくださいね』と言われたら何と答えますか?」

生徒役のタレント達が口々に言います。
「はい、がんばります」
「一緒にがんばりましょう」
「まあね、でもいろいろと大変で…」

中田氏は言います。
「正解は『お任せください』です。いいですか? スタッフは何を聞きたいのか。がんばるのは当たり前ですし、本当に結果を残せるかどうかが分からないことも知っています。彼が聞きたいのは、新番組に対する覚悟なんです」

「その通り!」私はモニターに向かって叫びました。

これは何度もお話していることですが、塾人は生徒(保護者)に対して言いたいことを伝えてはいけません。相手が聞きたいことを伝えるのです。以前もこんな話をしましたよね。

「私は(この子は)○○高校に受かるでしょうか?」という切実な問いに対して、正直に「それは、これからの努力次第です」と答えるのは、理屈では正してのですがコミュニケーションとしては間違いです。その生徒が合格するかどうかは誰にも分かりません。生徒の努力次第というのは、その通りです。しかし、そんなことは聞いている方は百も承知です。そんなことを聞きたいのではないのです。教師(あなた)の覚悟を聞きたいのです。嘘でもいい「私に任せて下さい」と言って欲しいのです。

こうした話をすると、「そんなこと言って不合格だったら責任が取れない」と言う人もいますが、大丈夫です。その生徒が合格するために本気で全力を尽くしていれば、不合格だった時に「嘘つき」と罵詈雑言を浴びせ、恨みに思う人はいません。恨みに思うのは、本気を出さず、全力も尽くさなかった時です。

芸能界は(想像ですが)厳しい世界です。オリエンタルラジオの二人も大きな浮き沈みを経験しています。それを笑いにしつつ本質を突く中田氏は、頭の回転が素晴らしい。さすが高学歴芸人です。

もともと塾というのは、渡す商品のない特殊なビジネスです。成績向上や志望校合格に対する成果報酬制度でもありません。それでも顧客が納得をして、授業料という対価を支払ってくれるのは、あなたの真摯な取り組みを認めてくれているからです。さあ、真剣に全力で日々の指導に邁進してください。それが、あなたの「覚悟」を相手に実感させる唯一の方法です。

 
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