モリモリ元気レポート[115] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

さあ、いよいよ12月です。これから冬期講習-入試本番-春期募集と、塾業界は最多忙期に突入します。体調に留意して、ますますご活躍ください。

この時期になると、中小・個人塾の経営者はスーパーマンの役割を求められます。ほとんどの経営者が現場にも立つプレイング・マネジャーでしょう。すると、どうしても現場優先になります。目の前には長い付き合いの受験生が必死で入試に立ち向かっています。彼らのために全身全霊で何とかしてやりたいと思うのは当然です。ただ、そのために来期に向けた準備がおざなりになることを恐れます。

各都道府県の公立高校入試は3月です。それまで現場に集中していると、春の募集には間に合いません。結果、昨年通りの対応に終わってしまいます。かつてのように、業界そのものが拡大発展している時代は良かった。例えば平均で10%ずつ拡大している業界では、例年通りの対応でも10%の売り上げ・利益増が達成されます。逆に、毎年10%ずつ縮小している業界では、例年通りの対応をしていると10%の売り上げ・利益減になる理屈です。現在の塾業界が少なくとも拡大発展トレンドでないことは、誰も異存がないはずです。よくて現状維持、傾向としては縮小均衡に向かっていると見るべきです。つまり、去年と同じ対応では、売り上げ規模縮小の危険性が高いということです。

教育者と経営者という二束のわらじを履いている「あなた」は、これからの時期、スーパーマンの働きが必要なのです。ただ、それも塾経営者の醍醐味と思ってください。

さて、冬期講習について1つアドバイスします。冬期講習を受講する外部生は、重要な見込み客です。ぜひ、本科生として獲得したいものです。そのための対応を見直してください。

ほとんどの外部生が「チラシ」or「紹介」から「問い合わせ」「面談」を経て冬期講習受講という流れで受講に辿り着くはずです。すると、面談から受講日まで2週間近く空くケースが生まれます。多くの塾が「受講申込書」を入手すれば安心して、何の手も打たないまま過ごしています。例えは悪いですが、「釣った魚に餌はいらない」を実践しているのです。しかしビジネスは違います。釣った魚に餌を与えてこそ、次につながります。やっぱり例えが不謹慎でした。撤回します。

具体的な対応としては、面談によって受講が決まったらすぐに手書きの礼状を送ります。ハガキで充分です。その後、講習までの学習スケジュール表と共に、教材を送ってあげてください。最新のニュースレターを送るのもいいでしょう。大切なのは、相手(外部生・保護者)に「放っておかれている」と思わせないことです。

私にも覚えがあるのですが、ネットで旅館やホテルを申し込んだ後、「本当に予約が通っているか?」と不安になることがあります。わざわざホテルに電話して確認したりして…。ところが途中で「○日のお越しをお待ちしています」とメールが入ると安心します。

講習を申し込んだ外部生の家庭に、「あなたのことを忘れていませんよ」というメッセージを送ることです。それが教材でもニュースレターで構いません。そのことで、「この塾を選択して良かった」と思ってもらうことです。優れた講習を提供することはもちろんですが、塾生を獲得する戦いはすでに始まっています。頑張って下さい。

 
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