モリモリ元気レポート[110] -つむぎクラブ掲載文より

写真
森智勝氏

先日TVを見ていたら、某タレントが「お札は向きを揃えて、肖像の頭を下にして財布に入れています」と言っていました。お金が出ていかないためのマジナイだそうです。私も以前から知っているくらいですから、相当有名なマジナイなのでしょう。ただ、私は逆のことを実行しています。向きを揃えて、肖像の頭を上にして入れています。福沢諭吉先生、野口英世先生を逆立ちさせることに気が引けるのです。

ただ、どちらも日本独特の精神文化を反映しています。肖像は肖像です。髪に印刷されたインクの固まりです。それを逆立ちさせてお金が出ていかない理屈はありませんし、偉人に失礼というのもおかしな話です。でも我々は思います。印刷された絵や写真にも「命」を感じます。

人物が写った写真を破くことに躊躇しますし、トリミングする時も、人物の体(特に顔)を切らないように配慮します。それが日本人です。

塾のチラシやホームページを見ていると、掲載された写真に写った生徒の顔が切れているのを見かけることがあります。あるいは、キャプションの文字が顔にかぶっていたり…。もちろん、掲載許可は得ていると思うのですが、その扱いにも気を付けたいものです。

さて、気になるニュースが飛び込んで来ました。

文科省と経産省が、塾業界に対して情報発表の透明化・明確化を求めるという記事です。

文部科学省と経済産業省の有識者会議は30日、塾や語学教室など民間教育事業者に、実際にかかる全費用や講師の指導歴といった情報の公開を求める初の指針案をまとめた。

想定しているのは、塾や語学学校、音楽教室、書道教室、そろばん教室、カルチャーセンターなど。入塾や入会時に実情がよく分からず、思ったより費用が高額だったり、期待したサービスを受けられなかったりするケースがあるため、指針を作ることで透明性とサービス向上を図ることにした。

指針案では、〈1〉入学試験、資格・検定の合格率と、その計算方法〈2〉入会者のほぼ全員が参加する発表会の費用や追加講座の費用など、支払う可能性のあるすべての費用〈3〉学習塾の担当講師が専任なのか学生アルバイトなのかといった立場や指導歴に関する情報――を例示した。文科省などは業界団体の会合で周知を図り、各事業者の自主的な情報公開を促す。国民生活センターによると、2013年度に同センターなどに寄せられた苦情は学習塾が1602件、外国語会話教室が950件だった。(報道より)

まあ、ほとんどの塾は適正な情報公開をしていると思います。ただ、私が言いたいことは…そろそろ想像がつきますよね。

 そう、こうした記事を目にした保護者(特に父親)の反応です。間違いなく「うちの子どもが通っている塾もそうなのか?」と疑います。それに対して何のリアクションもしないことがダメなのです。「…こうした報道がされていますが、当塾では…」と、自塾の生徒・保護者に対して訴えることです。そのことで「いい加減な塾の存在」を知らせ、「ウチは違うよ」と訴えます。

中小・個人塾は、合格実績では大手塾には逆立ちしても勝てません。ならば、姑息な手段で大きく見せるよりも、誠実さをアピールした方が得策だと考えています。

残念ですが、多くの一般人が「塾や予備校は合格実績を水増ししているものだ」と思っています。そういった意味では、塾業界全体の信頼性というのはまだまだです。

今、日本のビジネスに対する消費者の信頼が揺らいでいます。外食産業では食品偽装問題が起こりました。「信頼」を看板としているはずのホテルや、有名なレストランが名前を連ねました。その昔は吉兆、赤福といった日本人なら誰でも知っている一流?ブランドも…。

本来、文部科学省の指導が入る前に対処すべきことです。あなたの塾の情報公開はどうですか?

「講師の指導歴を明らかに」というのは我々にとっては追い風です。多くの大手塾が学生講師を教壇に立たせながら、その身分を隠している実情があります。学生にスーツを着せて、社員教師のごとく?振る舞わせています。私は指導者が社員でも学生でも構わないと考えています。生徒にとって役に立つのなら。ならば、正直が一番。どうせ、遅かれ早かればれることですから。

中小・個人塾は地域に密着することが絶対条件ですよね。そのために必要なのは信頼です。そして、信頼を得るための条件は…誠実さです。さあ、誠実に行きましょう。そして、それをしっかりとアピールしましょう。

夏期講習が近いですね。真夏の奮闘を期待します。

 
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