モリモリ元気レポート[107] -つむぎクラブ掲載文より

写真
森智勝氏

30歳の美人リケジョ?の大発見が一転、疑惑の巣窟になってしまいました。あの「STAP細胞」です。当コラムでも2か月前に絶賛の?記事を書いたばかりです。ところが、論文発表直後から出るわ出るわ…画像の切り貼り、写真の流用、論文の盗用と、次から次へと疑惑が持ち上がっています。最大の問題は、世界中の研究者が行っている再現実験で、誰もSTAP細胞の作成に成功していないことです。このままでは、「STAP細胞」そのものの存在すら疑われています。一部の報道によると、「おばあちゃんの割烹着」「ピンクの壁紙」すら演出とか…。どんな大人の事情があるのか知りませんが、論文の撤回を含め、全てをリセットしなければならない事態だな…と思っていました。ところが…。

今月1日に理研の調査委員会が、論文に使用された画像2点について「捏造」「不正」と断定した同日、小保方氏は「捏造、不正はない」と反論し、理研に対する不服申し立てをすると文章で発表しました。理研と小保方氏の全面対決の様相を呈してきたのです。私のような理系オンチには真偽のほどは分かりません。しかし、小保方氏が主張する「写真取り違えは単純ミス、画像の切り貼りはより鮮明なものにするためで結果は変わらない」という趣旨には違和感を覚えます。それはSTAP細胞の有無とは別の問題ですが…。もし、小保方氏の主張していることが化学界の常識だとすれば、それは一般の思考とは別世界の話になってしまいます。

この騒動を見ながら私が考えたことをお話します。

「過ちを正すのに憚ることなかれ!」

人は間違いを犯します。思わず嘘を付きます。(小保方氏が嘘を付いているという意味ではありません。一般論です。念のため)それは他の生物との大きな違いです。しかし、それを訂正する勇気(能力)を持っているのも人間です。我々が対峙している子供たちは人として未成熟な存在です。当然、過ちを犯します。その過ちを糊塗するために次の過ちを犯すことだけは避けさせたい。勇気を持って謝罪し、悔い改めることを実行してほしい。そして周りの大人は、そうした子供たちを許し、受け入れる寛容さを持ってほしい。そんな穏やかな社会でありたいものです。ただ、一方で…

未成年者による凶悪事件が起こるたびに、少年法に守られている「犯罪者」に憤りを感じている自分がいることも事実です。被害者、その家族の無念を思うとき、厳罰を望んでしまいます。きっと人間は、そうした矛盾を抱えながら生きる宿命を背負っているのでしょう。

STAP細胞の行く末は混沌としていますが、願わくば、小保方氏に再現実験の機会が与えられ、今度はどこからもクレームのこない、完璧な成果を出してほしい。日本人として切に望みます。

さて、塾経営にも「過ちを正すのに憚ることなかれ!」の法則は生きています。やはり我々も間違いを犯します。それを正すことに躊躇するのは避けたい。時間割、カリキュラム、教材、授業料…様々な分野で「しまった、こうしとけば良かった」と後で気付くことがあります。ところが、「もう告知済で4月から動き始めてしまったから…」と、修正をためらう経営者がほとんどです。その気持ちは重々分かります。それでも…

修正した方が良いと判断したのなら、生徒・保護者に「ごめんなさい」と頭を下げて修正すべきです。クレームが殺到するかもしれません。しかし、多くの生徒・保護者は理解してくれます。理解してくれなくとも、「仕方がない、先生の言うことに付き合ってやるか」くらいは思ってくれます。そして…

「ああ、あの時先生に付き合って良かった」と思ってもらえる成果を出すことです。

以前もお話しましたが、マスタービジネスの基本は、割烹料理屋の大将が言う「騙されたと思って食ってみな!」です。そして、客に「ああ、騙されて良かった」と思ってもらうことです。その積み重ねの上に「信頼」が構築されます。学習指導のプロである「あなた」が、修正すべきだと判断したのです。ならば、ためらう前に実行することをお勧めします。これは客と経営者の間だけではなく、従業員と経営者の間にも言えることです。

我々は凡人です。過ちを犯します。しかしその時、どんな行動に出るかで人の価値、周りの評価は決まります。

過ちを正すのに憚ることなかれ!…心からの自戒を込めて。

 
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