モリモリ元気レポート[106] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

ソチ冬季五輪が終了しました。今回も数々の感動の場面に遭遇しました。時差の関係で真夜中のテレビ観戦が続き、寝不足になった人も多かったと思います。塾の現場でも、オリンピックを話題にして生徒のモチベーションを高める説話をする。あるいは、塾の理念を保護者に伝える文章(ニュースレター等)を提供することをお勧めします。こんな感じで…

ソチ・オリンピックで日本の選手が大活躍しました。女子スキージャンプの高梨選手は惜しくもメダルに届きませんでしたが、そのコメントは素晴らしかった。そして何より、41歳のレジェンド葛西選手。スキージャンプのラージヒルで銀メダル、そして団体で銅メダルに輝きました。印象的だったのが、個人のラージヒルで銀メダルの時は笑顔の中にも悔しさを覗かせていたのですが、団体の銅メダルの時には仲間を思って男泣きに泣いたことです。「難病や故障を抱えて頑張っている彼らにメダルを取らせてあげたかった」というセリフに、彼の人間性を見ます。自分のことよりも周りの人のことを思うのは、日本人の美徳です。

考えてみれば、塾という場も同じです。確かに勉強は「個人競技」かもしれません。しかし、互いに思いやって、互いの健闘を願う。そして、他者の迷惑にならないように配慮し、共に優れた学習環境作りに協力し合う…そうした仲間意識が、互いを高めることにつながります。切磋琢磨の本当の意味はココにあります。もちろん子供たちはまだ未成熟な存在で、時として他者の迷惑になる振る舞いをすることがあります。それを諌め、気付かせるのもまた、我々指導者の役割です。

最後の手段として私は、時として破門を言い渡すこともあります。それで自らの過ちに気付いてくれれば…あるいは、「○○を見返してやろう」と発奮し、自らの成長の糧にしてくれればとの思いです。経営者としては失格かもしれませんが、教育者としては自分が嫌われることを恐れずに決断を下すことも必要だと考えています。

その甲斐あってか、現在の○○教室の生徒は皆、葛西選手のように仲間を思いやり、節度ある振る舞いをする者ばかりです。それを私は、個々の成績向上以上に誇りに思っています。

オリンピックという場は、人間ドラマがいっぱいです。そこには、作り物ではない美談があふれています。今回のソチ・オリンピックでもこんなことがありました。

クロスカントリースキーのカナダ人コーチが、男子スプリントフリーで、競技中にスキー板が破損したロシア人選手を助けたのです。準決勝に出場したロシアのアントン・ガファロフ選手は、高速でヘアピンカーブに差し掛かったとろで転倒。それでもゴールに向け、起き上がって足を引きずりながら前に進もうとしたのですが、左足に履いていたスキー板は完全に壊れてしまいました。すると、その様子を見ていたカナダチームのコーチ、ジャスティン・ワズワース氏が駆け寄り、持っていたスキー板と破損した板を取り替えたのです。ソチ五輪の広報担当、アレクサンドラ・コステリナ氏はこの行動について、「これこそが五輪の本質であり、その精神、その中核をなすもの。素晴らしい行動だ」と褒めたたえています。一方、カナダ紙トロント・スターによると、ワズワース氏は「ワナにかかった動物を見ているようだった。何もせず、じっとしていることなどできなかった」と語ったといいます。

スポーツの世界に国境はありません。目の前で苦しんでいる人がいれば自国の選手、他国の選手関係なく手を差し伸べます。クロスカントリーは日本が不得意とする競技であり、あまり注目されません。しかし、こうした逸話を知ると、スポーツはいいなあと改めて思います。

根底には「健全な競争」の存在があります。スポーツに限らず、健全な競争は精神を浄化し、高める作用をもたらします。勉学の世界も同じです。

勉強という辛い訓練を通して子供たちの精神力は磨かれます。塾生全員の成長を促すべく、これからも指導に邁進していきます。(後略)

「人は、技術には感心するが感動はしない」という法則があります。浅田選手がメダルを逃しながらも、最も日本人を感動させたという事実が物語っています。塾も同じです。生徒を、保護者を感動させるのは、指導技術ではなく、こうした塾の(あなたの)理念に対する共鳴です。ぜひ、あなたの思いを伝えてください。

 
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