モリモリ元気レポート[103] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

ご存知のように、来春でマイクロソフト WindowsXPのサポートが終了します。ここぞとばかりに?業者がパソコンの新規購入を勧めてきます。私は2台のパソコンとサーバー、輪転機、カラーコピー機、インクジェットプリンターをつないで仕事をしています。2台のパソコンを新しくすると使い勝手を把握するのに時間が掛かると思い、まず一台だけを新規入れ替えすることにしました。慣れ親しんだパソコンとお別れするのは辛いものですが、Windows7とオフィス2013を搭載した新しい仲間にワクワクしました。勇んで新しいパソコンを利用してみると、思った以上に快適です。いい気分で仕事をしていて気付きました。これまで使っていた住所管理ソフトが見当たらないのです。もともとデジタル音痴の私は、自分が不慣れなせいでアイコンの場所が探せないのだと思い、業者に問い合わせました。すると…

あろうことか担当者は次のように言い放ったのです。

「ご指示がなかったので、そのソフトは移管しませんでした」

ご、ご指示がなかったので?????ちょっと待て~!

「ご指示」がなくても、例えばメールソフトとそのデータは移管しているじゃないか。「ご指示」がなければ、「新しいパソコンに移動させるソフトはありませんか?」と尋ねるくらいの心配りがあってもいいのではないか。「ご指示」がなくても気を利かせるのがプロではないか。私は理路整然と烈火のごとく怒りを爆発させました。

さて、塾の話です。実は、同じようなことを多くの塾が無意識のうちに行っているものです。至近な例で言うと冬期講習。例えば個別指導塾の多くは5コマ1万円、10コマ2万円のような単科売りをしているようです。ある生徒が5コマ1万円のコースで申し込んだとします。その時、こんな感想を持ったことはありませんか?

「この生徒は5コマでは足りない。せめて10コマは必要なのに…」

はい、この瞬間です。あなたは「ご指示がないので、仕方なく5コマの受講で受け付けます」と言っているのです。

何度もお話していることですが、この場合あなたがプロで、生徒・保護者は素人です。ならば、まずはプロとして必要なカリキュラム・学習内容を提示する責任があります。あなた(あなたの子ども)にはこれだけの学習量(内容)が必要ですよと。それを的確に指摘できるのはプロである「あなた」しかいません。素人の生徒・保護者には判断が付かないのですから。ところが、その作業を割愛して「ご自由にお選びください」と丸投げしているため、結局、相手は値段だけを判断基準としてしまうのです。

決定権は100%、顧客が握っています。我々は講習を押し売りすることはできません。だからこそ、必要なことは100%提示する責務が我々にあります。全てを知った上で、5コマしか選択しないのは仕方がないことです。しかし、その選択の情報すら相手に伝えないのはプロとして怠慢です。

今からでも間に合うならば、どうぞ「君が今、必要な勉強量はこれだけだ。だから冬期講習は○コマ受講することをお勧めする」とプロとしての意見を伝えてあげてください。

プロとして最大限の助言と提案をして、最終決断は顧客に委ねる…それがマスター・ビジネスです。

いよいよ冬期講習を皮切りに、塾業界の最多忙期に突入ですね。体調管理には十分に留意の上、大いにご活躍ください。

 
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