モリモリ元気レポート[100] -つむぎクラブ掲載文より

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森智勝氏

猛暑と集中豪雨の夏休みが終わりました。猛暑は峠を過ぎましたが、これから台風のシーズンです。日本は常に自然災害と付き合わなければならない国です。あらためて「自然との共生」の難しさを感じます。

さて、この「元気レポート」も100回を数えました。足掛け5年に渡ってお付き合いしていただいたことになります。皆様の忍耐強い?ご支持に心から感謝します。

私と都麦出版さんとのお付き合いは、もう10年になります。当時、私は全く塾業界にネットワークがなく、手探り状態で今の活動(塾生獲得実践会)を始めていました。その私が書いた拙文に目を留めてくれたのが都麦の鳥居社長でした。

「都麦出版が発行する教材カタログに文章を書かないか」

そのオファーが最初でした。以来、「つむぎセミナー」に講師として招かれたり、各地のセミナー・教材展示会でご一緒したり…今でも年に数回、情報交換を兼ねた親睦会を開いています。また、鳥居社長の紹介で多くの塾人とのネットワークも拡がりました。まさに文字通り、縁をつむいでいただきました。そして今、こうして紙上セミナーを通して、「あなた」とも縁を持たせていただいています。

本当に人の縁とは不思議で、そして強いものだと思います。多くの人と絆を紡ぐことがその人の最大の武器であり、人生を豊かにしてくれるものです。

さて、究極のアナログ・ビジネスにおいて、人との縁(絆)は財産です。あなたの前に現れた生徒・保護者は、出会うべくして出会った人たちです。「袖すりあうも他生の縁」と言うではありませんか。その縁を大切にする塾は伸びていきます。

以前、客離れの話をした時に、その原因の一つとして「忘れる」があると言いました。卒塾して、例えば高校生になった生徒は新しい、魅力的な世界へと足を踏み入れます。過去のこと、ましてや塾のことなどすぐに忘れます。保護者も同じです。

ある塾経営者が嘆いていました。「うちは熱心に指導して、たいていの生徒を志望校へと合格させているので、もっと評判が広がってもいいはずなのに…」

その嘆きは理解できます。しかし、そうした塾に限って同窓会も開かない。はがきの一枚も出さない。電話も掛けない…つまり、相手(生徒・保護者)が塾を忘れる以前に、塾が相手を忘れているのです。もちろん、「いえ、卒塾した生徒のことは全員、覚えていますよ」と反論されることでしょう。でも、ちがうのです。

それを「形」にして表さなければ、相手にとっては忘れられたのと同じことです。

「元気でやってるか!何か悩みがあれば、いつでも相談に来いよ」というハガキを見て、「ああ、この塾は私のことを覚えていてくれる」と実感するのです。

人の絆とは強くて脆いものです。若い頃、あんなに毎日のように顔を合わせ、一緒に過ごしていた友人とも、少し疎遠になったことをきっかけに、今では年賀状だけの付き合いになっている…そんな例は枚挙にいとまがありません。絆とは互いの努力によって結ばれ続けるものです。

作用・反作用の法則があります。あなたが壁を押すとき、同じ力で壁があなたを押し返している…理科で習った法則です。この法則は人間関係にも働いています。あなたが押さない限り、相手があなたを押すことはありません。もちろん、実際に押し返してくれるのは4%の人だけです。しかし、だから押すのは無駄だと考えるか、それでも押し続けるのか…そこに大きな差が生じます。

さて、この春に卒塾して高校生・大学生となった生徒が大勢いることでしょう。その人たちを押してみませんか?同窓会を開くもよし、「元気か!」と連絡を取るもよし…そうした不断のアプローチが「あなたの財産」を生かす道です。

塾を忘れた人はアンテナが立っていません。その状態では周りにいる「塾を探している人」「勉強で悩んでいる人」が目に入りません。「今度、車をエスティマに替えようか」と思い付くと、街を走っているエスティマがやけに目に付くようになります。それまでもエスティマは走っているのですが、アンテナの立っていない人には見えないのです。ハガキの一枚を送ることで、相手のアンテナが立ちます。周りにいる「塾を探している人」に気付きます。そうして初めて、評判や紹介は発生するのです。

あなたの持っている絆(人的ネットワーク)は最大の暗黙知です。この秋、ぜひ、その暗黙知を生かす方策を採ってください。せっかくの暗黙知が気付かぬうちに朽ち果ててしまいませんように。

 
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