モリモリ元気レポート[4] -つむぎクラブ掲載文より

いつでも入れる塾にするな

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森智勝氏

3月に入っても厳しい寒さが続いています。この時期、地方によって既に受験が終了したところ、これから本番を迎えるところと様々です。それに伴い塾の年度替りも3月と4月に分かれるようです。あなたの地区はいかがですか。

さて、多くの塾の悩みは「この時期にごっそりと卒塾生が発生する」ことです。毎年「抜けた分の入塾生があるだろうか」と不安になります。根本的な問題は、塾生構成が中3生を中心とする受験生に比重が偏っていることです。逆ピラミッド型どころか「文鎮(ぶんちん)型」になっている塾もあります。春に塾生の半分近くが卒塾する塾も珍しくありません。なぜ、こんな現象が生じてしまうのでしょうか。誰もが各学年バランスよく塾生が在籍している「ドラム缶形」を理想としているのに…。

もちろん、「ゆとり教育」の推進によって通塾に対する環境圧力が低下していることが原因の第一ですが、塾側の問題として考えた場合、1つの共通点が浮かび上がってきます。それは、文鎮形の塾生構成になっている塾のほとんどが「いつでも入れる塾」ということです。

行列のできるラーメン屋を見ても分かるように、人は「入りにくい店ほど入りたがる」習性を持っています。逆に言うと「いつでも入れる店にはいつも入らない」ということです。ラーメン屋に限らず、ディズニーランドや人気温泉宿もそうです。人は「人の集まるところ」に集まるのです。「いつでも入れる塾」には魅力を感じず、結局、受験目的しか持たない「客」だけが集まってきます。文鎮型塾の出来上がりです。

対処法はただ1つ。学年ごとの定員を設け、厳格に守ることです。そして、定員に達した場合は以降の入塾希望者を(歯をくいしばって)断らなければなりません。「あの塾は中3からは満席で入れない」そうした評判を作ることが「ドラム缶形」を作る唯一の方法です。(塾そのものの価値、暗黙知を高めることは言うまでもありませんが。)

新年度のチラシに「新中3は満席です」と表示できる塾に「春の不安」はありません。

 
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