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中小塾のためのマーケティング講座(25)
「中小塾逆襲元年(1) 地域密着を図れ!」

森智勝氏

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中小塾が伸びる時代がやってきた

本誌5月号に象徴的な記事が載っていました。

「集まらない!残念!じゃ済まされない 異常気象と地震の続いたこの1、2年だが、塾業界にも異変が起きている。『何をどうやっても生徒が集まらない』『講習に外部生が多数参加して、絶好調かと思ったら誰も入塾しない』等々、今まで考えられなかった危機的状況で深刻に悩む塾が増えているのだ。」(本誌5月号より)

全国的に苦戦の様子を伝えています。ところが、当会員の報告によると塾生数を伸ばしているところが目立ちます。(あなたの塾はどうですか?)

以前からお話しているように、来年、日本の人口ピークに向けて国中が淘汰時代を迎えています。リストラ時代です。少子化の影響をいち早く受ける塾業界は5年ほど早く動いていました。いわゆる「2対8の法則社会」へ移行する動きです。その過程ではどうしても大手優位に傾きます。理由は2つ。

(1)資本と人材が大手中心に流れる
(2)不安定時代は消費者心理が安定(大手)を求める

バブルがはじけた後も、シャネルやエルメスなどのブランド商品が好調なのは以上の理由が大きいのです。(来月号で説明する「本物志向」がもう1つの理由です。)

ところが塾業界では、どうやらその動きが一段落し始めたようです。それが前掲の記事に表れています。これまで耐えに耐えてきた中小塾にとってチャンスです。時代は中央集権から地方分権へと動いています。ブランド志向から本物志向へと変わってきます。今こそ、全力を挙げて「地域密着」の戦略を練ってください。方法は…

今こそコミュニケーション・ネットワークの構築を

「コミュニケーション・ネットワークの構築」この一言に尽きます。あなたは学問を教える技術屋(職人)に留(とど)まってはダメです。地域になくてはならない塾を作るクリエイターになるのです。子供にとって…だけでは不十分です。塾経営を通して地域に貢献し、全ての子供、全ての大人にとって必要な存在になるのです。

昨年、1年間かけて力説してきたコミュニケーション・ネットワークの構築に既に着手している塾は大丈夫です。まだの方、今すぐ始めてください。緩やかなネットワークの真ん中にあなた(あなたの塾)がある。そんな姿を目指します。具体的にはこれまで紙上でご提案してきたことを実行に移すことです。

(1)ニュースレターを発行する
(2)教育説明会を開く
(3)チラシをイメージチラシから啓蒙チラシに変える
(4)パワーランチ
(5)卒塾生対象の同窓会
(6)保護者(特に母親)の勉強会・趣味の会
(7)地域を巻き込んだイベント
  ・チャリティーバザー
  ・ボーリング大会
  ・音楽会
  ・映画会
(8)地元との結びつき
  ・「15歳のハローワーク」(地元で働く人の紹介)
  ・お祭り等地域行事への参加
  ・地元クラブへの支援
(9)学校・PTAとの結びつき
  ・地域教育連絡会の結成
  ・学校行事への参加

やろうと思えば出来ることは無数にあります。しかし、大手塾の社員教室長には不可能なことばかりです。本当に今年はチャンスです。

こうした提案をすると、次のような反応が返ってくることがあります。
「失敗したらどうしよう」「自信がない」「できるはずがない」
「やってもムダ」「あの人(塾)は特別だから」「ここは不況が厳しくて」「昔はこの方法で…」

例えばこんな感じです。「ニュースレターを発行したくらいで本当に塾生が増えるのですか?」もちろん、それだけで塾生が増えるのならば、こんな楽なことはありません。ここで挙げた1つ1つは、それだけを見れば取るに足らない(泥臭い?)事柄ばかりです。しかし、「神は細部に宿る」という言葉があります。以前、旅館の例を挙げたことがあります。「廊下の角に飾ってある花は、それだけでは無駄なように思えるが、客の右脳に訴えることで効果を上げている。」そうなのです。いろいろと理由を付けて「動かない塾」と「失敗を楽しみながら積極的に動く塾」の差は、塾全体のイメージとして大きくなる一方なのです。今春、塾生数を伸ばしている塾は、例外なく実践を続けている塾です。小さな変化を続けている塾です。

失敗を恐れない勇気を持とう!

また、昨年こんなことがありました。ある塾がボーリング大会を主催しました。若いスタッフが企画を任されたのですが、当初提出された企画書には「参加者想定数30名」とありました。塾生全体のわずか1割です。最初から失敗を恐れて自らハードルを低くしているのです。(選挙前に政党が掲げる勝敗ラインと同じです。)

考えても見てください。100名を想定して50名しか集まらなかった場合と、30名を想定して30名集まった場合を。いったいどちらが成功か。この塾は塾長の一喝で規模を拡大し、結果150名近くが参加する大ボーリング大会になりました。

多くの経営者がこの若いスタッフのように失敗を恐れて縮小均衡を目指します。自らハードルを低く設定して失敗したときの言い訳に備えているのです。あなたはそのような人に魅力を感じますか?

失敗を恐れる必要は全くありません。一時的には失敗と思われても、経験値が1つ増えることは1つの前進です。より大きな成功として返って来ます。また、失敗を恐れずチャレンジする姿は必ず周りの人の共感を呼びます。

ここ十年、大手優位の時代が続いていました。その間、廃業を余儀なくされた中小塾は膨大な数に上ります。この紙上セミナーをお読みのあなたは、その受難の時代を見事に生き抜いて来られました。その健闘に敬意を表します。必死の努力がなかなか報われないこともあったでしょう。もちろん、これからも厳しい道は続きますが、淘汰が一段落したこれからは、あなたの努力がそのまま結果につながるようになります。

先が見えないのは暗いからではない。未来が眩しすぎて目を閉じてしまうからだ。

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