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中小塾のためのマーケティング講座(11)
「紹介は仕組み作りで獲得する!(2)」

森智勝氏

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紹介のお礼は感謝を伝えること

友達を紹介した場合、何らかのお礼(オファー)をしたほうが良いのかどうか。塾によってはお礼の品物を渡すところもあるが、「物で友達を売る」と思わせるのは逆効果だ。どうしても後ろめたさが同居する。
紹介をしてもらった場合は次のことを実行すると良い。
(1)手書きのお礼状を書く。
(2)特別講習(夏期講習等)の割引券を発行する
紹介をしてくれる方は、塾生が何人いようと全体の2割程度に限られる。その人たちは塾の応援団だ。プロ野球の応援団が見返りを期待せずに応援するのと同様、「物が欲しくて紹介をする人」は一人もいない。しかし、塾長が喜ぶのが嬉しくて何人も紹介してくれる人は必ずいる。そんな方々には、物よりも感謝の気持ちを言葉にして表したほうが効果的だ。(感謝の法則)それも、電話よりも手紙。なぜなら、塾から電話がかかってくるのは日常的だが、塾から手紙をもらうのは「非日常」だからだ。非日常的体験は感動を生み、次の行動へ駆り立てる力を持つ。
  また、特別講習が任意受講の塾ならば、品物の代りに特別受講の割引券渡したほうが良い。売上増にもつながるし、塾の姿勢としても好感が持たれる。一度受講した生徒は継続して特別講習に参加してくれるようになる。
多くの塾が、口コミには物を使わず紹介に物を使うという間違いを犯している。
ただ、次のような方法で成功している塾の例がある。「紹介者20人でハワイ旅行ご招待キャンペーン」だ。ここまで「はじけて」しまうと後ろめたさが消滅する。塾生、保護者も巻き込んで、お祭り騒ぎのように明るく派手に行なうのだ。実際にひとりで20人も紹介することは不可能だし、また、本当に20人の紹介を得られたとしたら「ハワイ旅行」をプレゼントしても充分採算は合う。是非「5,000円分の図書券差し上げます」とイメージを比べてほしい。

紹介は積極的に依頼する必要がある

紹介を得るためには積極的に紹介を依頼する必要がある。待っていて紹介は得られない。きっかけがないと紹介しようという行動にはなかなか移らないものだ。
そこで、定期的(1学期前、夏期講習前、冬期講習前等)に依頼文と紹介状を送る。

▼依頼文(例)
日頃は当塾の指導方針にご理解を頂きありがとうございます。おかげさまで当塾も面倒見のよい塾との評判を頂き、多くの生徒に支持を受けるようになりました。これからも塾生ひとり一人を大切にする姿勢を忘れることなく、更なる指導力の向上に努めてまいります。
今回はお願いがあってお手紙いたします。
塾は多くの生徒に支持されることによって成り立ち、高いレベルの学習指導を実現できます。そのために、どこの塾でもチラシやダイレクトメール等の広告宣伝をするわけですが、その募集効果が年々悪くなっています。今年度の場合、一人の入塾生に対して約14,000円の費用がかかっています。また、大手塾のように派手なチラシ・DMを大量に作成する体力もありません。
私はこうした費用を、より優秀な講師の確保や教材の開発に回すことで塾生に還元できないかと考えています。
そこでお願いがあります。ご近所、お友達で塾をお探しの方がいらっしゃいましたら、当塾の体験学習をご紹介いただけないでしょうか。
ご存知のように、当塾は体験学習期間を設け、その生徒に合った塾かどうかを充分に判断してから入塾を決定していただきます。また、成績保証制度により責任を持って指導させていただくお約束もしています。
長引く不況は当塾にも大きな影響を与えています。経費の増大を授業料の値上げではなく、広告費の削減で補いたいと考えています。
趣旨をご理解の上、皆様のご協力をお願いいたします。
  紹介状を同封しましたので、塾をお探しの方にお渡しください。なお、その方のお名前、ご住所をお教えいただければ、こちらから案内状をお送りします。その際は、無理な勧誘等ご迷惑になることは一切いたしません。

○○塾 塾長 ○○ ○○

追伸 お友達をご紹介いただいた方には、春期講習○○円分の受講券を差し上げます。(これは、お子様に学習機会を増やして欲しいという願いの表れとご理解ください。)

全てのことに共通することだが、紹介が欲しいと念じているだけでは紹介はしてもらえない。常に塾から情報を発信することで、塾生、保護者に意識付けをしていく。それが大切だ。人は皆、指示待ち族なのだ。
また、紹介が多くなることで授業料の抑制や授業の充実につながるという大義を理解してもらうと行動に移しやすくなる。

思いが伝わって初めて相手のアンテナが立つ

そして、最も大事なことは続けるということだ。「継続は力なり」と言う。
紹介状を作りましょうと言うと、「作りました。塾生全員に配りました。でも反応が1つもありませんでした。」という塾が多い。当然である。例えば、あなたも事務器機屋から「今、コピー販売拡大キャンペーン中です。お知り合いのお友達をご紹介ください」と言われて、「では、あそこの塾の先生を紹介しよう」とは動かないだろう。案内のハガキが来ても、ほとんど読まずに捨てているはずだ。塾生紹介も同じである。最初から多くの紹介を期待する方が間違っている。続けるのだ。2度目、3度目…すると、子供のほうがこう言い出す。「先生、こんなもん何枚もらっても、紹介する友達なんていないよ、みんな塾行っているし、『うちの塾怖いから嫌だ』って言われるし…」と。このあたりから紹介客が集まり始める。なぜか。生徒の方からそういう声が上がってきたということは、やっと塾長の思いが伝わり始めた証拠なのだ。すると不思議なことに、そう言い出した生徒の前に塾を探している友達が表れる。いや、本当はもとから居たのだが、その生徒のアンテナに引っかかっていなかったのだ。それまでは生徒のアンテナが伸びていなかったのだ。
例えば、あなたも「今度の車はセルシオに買い替えようか」と思った瞬間から、街を走っているセルシオが突然目につき始めた経験があるだろう。「あっ、セルシオだ。あの色もいいなあ」といった具合に。つまりアンテナが立っているのだ。本当はそれまでもセルシオは頻繁に目の前を走っていたはずだ。しかし、アンテナが立っていな時は全く見逃してしまう。それがセルシオを意識することによってアンテナが立ち、そこに引っかかり始める。同じことだ。生徒に思いが届いて初めて、生徒のアンテナが立つ。母親のアンテナが立つ。何度も来る「紹介者の依頼」というのを見て、母親はやっと「ああ、そういえば向いの誰々ちゃん今度中学生になるわね。塾どうするか聞いてみようかな」と思ってくれる。塾から思いも伝えないのに、向こうから好意的に「友達を塾に紹介してあげよう」とする人は少ない。
続けることだ。最初の1回、2回反応がなかったからといって「役に立たない」「使い物にならない」とあきらめてはいけない。それはまだ、あなたの思いが相手に伝わっていないのだ。思いが伝わらなければ相手のアンテナが立つはずがないのである。

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